俳優の板垣李光人が9月26日、都内で行われた初個展「愛と渇きと。」開催記念取材会に出席。初の個展への思いを語った。
本展覧会は、かねてより板垣が描いてきたデジタルイラストと、映画「ブルーピリオド」の撮影を機に制作に取り組むようになった油絵とが組み合わせられた、複合的なキャンバスアートを中心に展開。展示作品はいずれも本展覧会のために、俳優としての活動と並行しながら、板垣自身の手によって新たに制作された。
板垣は「役者として自分の出ている作品を見ることは最近やっと慣れてきたんですけど、絵は初めてなので、最初の緊張感というかドキドキしたものを今すごく抱えています」と告白。「初心を思い出したような心境で、来てくださるお客様がどういうふうに見てくださるかな、と、楽しみでもありながら少しドキドキと不安な気持ちがあります」と率直な気持ちを打ち明けた。
個展を開くにいたった経緯について板垣は「今回のタイミングはすごく運命的だった」としみじみ。デジタルイラストはもともと描いていたが、自分の作品に自信があるわけではなかったと言い「細々と描いていたつもりで。作品を発表するにしても、ネット上とかで発表しているぐらいでいいかなと思いつつも、その裏腹やっぱり見てほしいなという気持ちもありました」と振り返った。
続けて板垣は「それがある中で、『ブルーピリオド』という作品をやらせていただいて。絵がテーマの作品で、3〜4カ月くらいずっと先生から絵を教えていただきながら準備していて。絵の欲が高まっていた時期にこの個展のお話をいただきました」と述懐。個展を開くにしても、役者として先にテーマを決めてからストーリーのように流れるものにしたいという考えがあったと言い「そんな形で作っていきました」と語った。
テーマが“渇愛”ということで、いま渇愛していることを聞かれると、板垣は「小さい秋」と回答。「今はでっかい夏しかないから、小さい秋がなさすぎて」と口にし「服が好きなので、夏のTシャツ1枚とかよりちょっと着込みたいんです」と説明した。「やっと涼しくなってきましたけど、9月の頭とかはずっと暑かったので、小さい秋を探してました。やっとちょっと見つかってきた」とほほ笑んだ。
◆取材・文=山田果奈映