漫画「はだしのゲン」の読者層を広げ、平和への思いを伝えようと活動する人々の姿から平和について考える<「はだしのゲン」の熱伝導 〜原爆漫画を伝える人々〜>

2024/09/28 19:00 配信

芸能一般 レビュー

漫画「はだしのゲン」に魅せられ、世の中に広める活動をする人々に密着


漫画「はだしのゲン」は、作者の中沢啓治自身の原爆による被爆体験を基にした自伝的な内容だ。そんな「はだしのゲン」に魅せられたさまざまな人々が「はだしのゲン」の読者層を広げ、平和への思いを伝えようとする活動を見ることができる。

最初に、講談で「はだしのゲン」を語る女性が登場。続けて、「はだしのゲン」の英語版を製作した人々、広島の町を案内しながら中沢氏の体験を伝える女性の姿が。また、主人公・中岡ゲンの体験に自分に記憶が重なるという男性や、被爆で顔と腕に大やけどをおった女性が、自らの体験や思いを語る様子も流れる。

「はだしのゲン」を通して、戦争のリアルを伝え、もっと多くの人に戦争と核について知ってもらいたいと願い、平和への想いを語る人々の姿に注目してほしい。

漫画「はだしのゲン」から戦争と核、平和への思いを考える


現在、25ヵ国で翻訳・出版されている「はだしのゲン」。広島原爆の被爆を題材とした漫画だが、主人公のゲンが両親を助けようと金を稼ぐシーンなども描かれ、戦争体験記だけではなく親子愛などさまざまな魅力が詰まっている漫画だということが伝わる。

戦争体験者の話を聞く・知るということは、過去にあった現実を知り、今後二度と同じ過ちが起きないようにする上で大切であるといえる。しかし、戦争の内容はあまりにも悲惨であるが故に、つい目を背けてしまう人も多い。しかし、作者の中沢氏が「漫画だったら素直にスーッと入っていって」と語るように、漫画という媒体が持つ魅力が、戦争を知る一つのツールになるのだと感じた。

この番組を見終わった後、改めて戦争や平和について考える、そんなきっかけとなる番組だ。