伊藤沙莉がヒロインを務める連続テレビ小説「虎に翼」(NHK総合ほか)が、9月27日の第130回と28日の第26週ダイジェストをもって完結した。美佐江とその娘・美雪の2役を演じた片岡凛は、最後の最後、寅子(伊藤)亡き後の平成の世にも、美雪として登場。2役を通じて放った強烈な存在感に、あらためて視聴者から絶賛の声が上がった。(以下、ネタバレがあります)
日本初の女性弁護士の一人・三淵嘉子さんをモデルにしつつ、オリジナルストーリーを軸に描いてきた本作。最終回では、前半でさまざまな仕事を掛け持ちする日々を送る50代の優未(川床明日香)のエピソードが語られた後、時間を巻き戻し、横浜家庭裁判所長に就任した寅子を仲間たちが祝う「笹竹」でのシーンが描かれた。
片岡が登場したのは、その前半、平成の世。優未(と、イマジナリー寅子)が通りかかった橋の上、スーツ姿の女性が携帯電話で誰かに「どうしてなのか、私が知りたいよ。なぜか分からないけど、急にクビだって」と疲れをにじませ話しかけていた。それが、大人になった美雪だった。
「多分、私がダメで、悪いんだと思う」と自分を責める美雪。その声を聞いた優未がたまらず声をかけ、労働基準法にある雇用主の解雇予告ルールについて伝えて「法律は、あなたの味方です」と励ました。
寅子とはまったく違う生き方を選んだことにほんの少しの寂しさとモヤモヤを感じていた優未が、自分の中に法律と、母・寅子の存在を感じるきっかけになったこのエピソード。同時に、高校時代に家庭裁判所に送られた美雪が、その後の人生を前向きに歩んでいることが分かる後日談にもなっている。
演じる片岡は、美雪の母・美佐江役で新潟編に初登場。どこか異質で狂気じみた気配を漂わせ、寅子に「佐田先生は、心から納得した答えが出せます? どうして人を殺しちゃいけないのか」と落ち着いた口調で問いかける場面は視聴者に強烈な印象を残した。
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