フレッシュなキャスト陣も、本作の魅力の一つ。CODAとしての自分と、音楽を愛する自分の間で葛藤するウンギョルを演じるのは「コッソンビ 二花院の秘密」で主演を務めたリョウン。家族を愛し、若き日のイチャンのために奔走するウンギョルの優しさ、胸に秘めた情熱を丁寧に表現している。ギター演奏シーンも抜群のカッコよさだ。
若き日のイチャン役、チェ・ヒョヌクは、「二十五、二十一」(2022年)の“7組のイケメン”として一躍注目を集め、「弱いヒーロー Class1」ではアクションでも魅了した若手スター。青春を爆走するひたむきな高校生役で輝いてきたチェ・ヒョヌクが今作でも、恋とバンド活動に全力を注ぐ愛すべき男子高校生イチャンを熱演している。チェ・ヒョヌクならではの愛嬌たっぷりの“一目ぼれ”シーン、リョウンとともに披露するバンド演奏シーンも必見だ。
そして「社内お見合い」(2022年)でキム・ミンギュとサブカップルを演じ、“眼鏡キス”でメインカップルに負けない話題を集めたソル・イナが、イチャンの初恋相手で1995年を生きるセギョンと、その娘で現代を生きるウンユの2役で抜群の存在感を発揮する。イチャンのバンド熱に火をつけ、物語の起点となる重要な役回りだ。
一方、1995年を生きる先天的ろう者の女子高生チョンアは「なにもしたくない~立ち止まって、恋をして~」(2022年)でも印象的な演技を見せたシン・ウンスが演じる。孤独なチョンアがイチャンとウンギョルに出会い、心を開いていく過程を繊細に演じている。
音楽がモチーフだけに全編美しい音楽に彩られた本作は、オリジナルサウンドトラックにも力が入っている。ストーリーの中で重要な役割を果たすロック・バラード「輝く君へ」をシンガーソングライターのチョン・ジュニルが歌うほか、2020年代にデビューした韓国の次世代アーティストが多く参加し、フレッシュで青春感あふれる音楽を奏でている。随所で、エリック・クラプトンの「Tears in Heaven」や韓国の人気ロックグループYBの大ヒット曲「白ひげ鯨」など、1990年代当時のヒット曲が流れるのも心にくい。
さらに、YBのボーカル、ユン・ドヒョンが現代パートのスター歌手ユン・ドンジン役でカメオ出演し自ら「白ひげ鯨」を歌唱。人気K-POPグループ・iKONのメインボーカル・ジュネことク・ジュネも、同じく現代パートのバンド・Spine9のボーカル・ジュニョン役で出演し、劇中ステージでリョウンと共演。激しいロックサウンド曲「HIGHER」を披露しているのも注目ポイントだ。
父子であり、かけがえのない友でもある…そんなウンギョルとイチョンの尊い絆の物語を軸に、ドラマチックなストーリーと感動的なバンドサウンドに感情揺さぶられる「輝くウォーターメロン~僕らをつなぐ恋うた~」は、10月18日(金)からCS放送「衛星劇場」で放送。いつでも、どんな状況でも、未来は自分の力で変えられる――そんな力強いメッセージに心温まる感動作だ。
◆文=酒寄美智子
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