コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回はFEEL webで掲載中、及び9月25日に単行本が発売されたばかりの、滝端さんが描く『恋知らずの神様に捧ぐ』より『一途な秘書が敏腕社長に迫られて好きバレしてしまう話』をピックアップ。
滝端さんが2024年9月18日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、2.2万件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、滝端さんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。
敏腕社長である浮津 航(うきつ わたる)の秘書として働く佐後 恵利也(さご えりや)は、密かに社長に心を寄せていた。
外国人の血が通っている佐後は、幼いころからずっと異質であると感じながら生きていた。神様などいないと思っていた佐後だったが、学生の頃浮津に助けられたことにより、神様は確かにいた、と浮津に恋をしてしまう。それ以来神様と崇める浮津に恋をしながらも、その気持ちを隠しながら秘書という立場で浮津の傍で仕事をしてきたのだった。
ある時、社員の結婚式に参加した浮津は、その社員から佐後が恋バナをしていたと聞く。後日浮津は、佐後に恋人がいたのか、片思いなのか、と問い詰める。さらに「お前だけは俺と同士だと思っていたのに」と拗ねてしまうのだった。
その後も佐後の恋愛に様々な質問をしてくる浮津。それに対し「こんなどうでもいいことは忘れて下さい」とバッサリ言う佐後だったが、浮津との恋愛話のやり取りに動揺を隠せないのだった。佐後は気持ちを落ち着かせるため、学生時代に浮津に貸してもらったハンカチを抱きしめていた。
そんな佐後の所に現れた浮津は、佐後が落としてしまったハンカチが、自分が学生時代に手渡したものだと気づき、さらにネクタイやネクタイピンは浮津が贈ったものである、と指摘する。まさか10年前の自分を覚えているとは思っていなかった佐後は、激しく動揺し焦ってしまう。明らかに動揺する佐後に、浮津は佐後の想い人は自分なのか、と問いただすのだった…。
作品を読んだ読者からは、「ドキドキしすぎて心臓破裂するかと思いました…」「読了感最高の一冊」など、反響の声が多く寄せられている。
――『恋知らずの神様に捧ぐ』は、どのようにして生まれた作品ですか?きっかけや理由などをお教えください。
担当編集者さんとどんなお話を執筆するか打ち合わせをした際に、「サラリーマン」「スーツ」等頂いた意見の中で「社長」が出てきました。
これから続けていく作家人生の中でいつかは描くであろう「社長」キャラとここで出会うか…と意を決した覚えがあります。
そこから社長と秘書の物語として幾つかネタを提出し、今作のネタが選ばれました。
――今作を描くうえで、特に心がけているところ、大切にしていることなどをお教えください。
2人の恋愛に重きをおくことをかなり意識しました。
恋愛観は勿論のこと、相手の言葉や表情によって感情が揺れ動くタイミングを見落とさないよう心がけました。
また、それぞれの人生の歩み方や信念を軸にして立たせてあげることも大切にしています。
作画では2人のキラキラしたスタイリッシュな世界を落とし込めるようにピカピカのオフィスと格好いいスーツを描くのに特に時間をかけました。
特に浮津は存在感と圧が欲しかったのでイケメンになるよう祈りながら執筆しました。
――今回の作品のなかで、特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
3話と4話のデート回です。当初作ったプロットではあまり甘い雰囲気を作れませんでしたが、担当編集者さんと沢山の打ち合わせを重ねて、より糖度の高い可愛らしい回にする事が出来ました。
デートに誘われてパンクする佐後もネームの時点で楽しかったし、ミュージックラウンジでの浮津の表情やカットも形に出来て本当に良かったと感じられました。
最終話の初めてのキスのシーンも個人的に良いカットが描けたので気に入っています。
ネームで絵が完成されてしまって、作画するのに何度も描き直して時間をかけた覚えがあります。
――滝端さんは普段漫画を描く上で、どういったところから物語やキャラクターの着想を得られるのでしょうか?
自分の中にある好きなものを基盤にアイデアを膨らませていきます。
読みたいキャラ、描いてみたいキャラから物語を作ってみたり、描きたいシーンや空気感に合わせてキャラを置くパターンもあります。
好きなものは自分が色々なエンタメと出会って、何かを「好きだ」と思った時に、時間をかけて自分の感情を考察して引き出しに仕舞っています。
その「好き」がニッチ過ぎて没になることも多いです。
――滝端さんご自身や作品について、今後の展望・目標をお教えください。
引き続き自分のペースで漫画と向き合って制作を続けることが一番の目標です。
今作は自作品の中では明るめのお話でしたが、今後も自由に自分が描きたいものを探りながら作っていこうと思います。
――最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
「恋知らずの神様に捧ぐ」で初めて滝端を見つけて下さった方々、そして名も知れない頃からずっと応援して下さっている方々、言葉では還元しきれない程日々感謝しています。いつもありがとうございます。漫画でお返し出来たらいいなと思います。
そして拙作が皆様の日々の生活の中の一部になり、少しでも楽しみや癒やしになってくれたら嬉しいです。
今後ともあらゆる作品と出会い、素敵なBLライフを送って下さい。
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