コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、朝比奈ショウさんが描く『「かわいい」は、ときどき苦しい。』をピックアップ。
朝比奈ショウさんが2024年9月20日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、6.1万件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、朝比奈ショウさんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。
「努力しないブス」と「努力の必要のない美人」が嫌いな主人公・姫咲のぞみは、ある時アクセサリー売り場で同級生の天王寺に偶然会う。友人から「王子」と呼ばれるほどイケメン顔でボーイッシュな天王寺は、メイクや可愛いファッションに興味があるものの、自分に似合うものが分からない、と姫咲に相談し、色々と教えて欲しいと言う。しかし、「生まれつきの美人」である天王寺にはその必要はない、とあっさり断られてしまう。去っていく姫咲を友人達が「整形女」と呼んでいることに、天王寺は不快感を示すのだった。
翌日、天王寺はいつもの服とは印象の違うワンピース姿で登校。化粧も施している天王寺に、友人たちは「変だよ!」「違和感しか仕事してない」「いつも服の方がぜったいい」「王子らしくない」などと言う。その言葉に姫咲は過去の自分を重ねる。初めて自分が選んだ自分の好きな服を、皆に似合わないと言われてしまった過去を。そしてそれが整形をした現在の自分を作ったことも。
あの時の自分と同じだと感じた姫咲は、友人たちに必死で弁解する天王寺を見つめる。弁解しながらも涙を流してしまった天王寺を見て、「あの時自分を大事にできなかった弱い私だ。」と再度姫咲は自身を重ね、泣いている天王寺をその場から連れ出すのだった。
姫咲は得意なメイクで天王寺の顔をキレイに仕上げ、教えてあげてもいい、と言う。そして天王寺と向き合うことで過去の自分を救えるかもしれない、と思うのだった。
作品を読んだ読者からは、「なってみたい自分と周りから求められる自分の像とのギャップで苦しい気持ちわかる。」「これは泣いた」など、反響の声が多く寄せられている。
――『「かわいい」は、ときどき苦しい。』は、どのようにして生まれた作品ですか?きっかけや理由などをお教えください。
美醜やルッキズムは現代の誰もが苦しみ、一生かけて悩む問題だと常々感じていたので、その問題への突破口となるような希望が見える漫画が描けたら良いなと思ったのがきっかけです。
――今作を描くうえで、特に心がけているところ、大切にしていることなどをお教えください。
キャラクターそれぞれの悩みや苦しみを丁寧に描きだすことを心がけました。表情やコマ割りにも感情の動きに合わせて工夫を凝らしました。
――今回の作品のなかで、特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
冒頭の姫咲のぞみのセリフが気に入っています。のっけから「強すぎる信念」をもった偏りのあるキャラクターであることが伺えると同時に、「整形」という冒険の果てに立つ彼女の清々しさや強さが感じ取れるシーンだと思っています。
――「泣ける」「ルッキズム時代の今色んな人に読んでほしい!」など多くの反響がありました。このような反響をどう感じていらっしゃいますか?
とても嬉しく思っています。読者の方に何かが届いたという実感が次の作品を描く上での勇気と自信に繋がるので大変ありがたいです。
――朝比奈ショウさんご自身や作品について、今後の展望・目標をお教えください。
多くの人が「明日も生きてもいいかも」と思えるような作品をこれからも生み出し続けたいと思っています。
――最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
いつもありがとうございます。
今後もぜひお付き合いいただけましたら幸いです!みなさまにまたお会いできることを作品の中でお待ちしております。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)