TVアニメ『BLEACH 千年血戦篇』第3クール放送直前、一護×雨竜キャスト対談 じつは隣り合わせの高校に通っていたふたりの因縁とは?

TVアニメ『BLEACH 千年血戦篇』にて声優を務める森田成一(右)、杉山紀彰(左)撮影=篠田直人

「週刊少年ジャンプ」で連載され、コミックスの累計発行部数が1億3000万部を超える『BLEACH』。2004年より始まったTVアニメは、これまでに360話以上、4作の長編劇場アニメも公開されてきた。そして2022年、原作の最終章にあたる「千年血戦篇」が満を持してTVアニメ化。分割4クールで描かれる物語は折り返しを迎え、いよいよ10月より第3クール「相剋譚」に突入する。そこで今回は、黒崎一護役の森田成一さんと、石田雨竜役の杉山紀彰さんによる対談をお届け。冒頭からクライマックス感全開で始まる「相剋譚」の見どころや、20年に渡って一護と雨竜を演じてきたおふたりが抱く想いについて伺った。

現場では「座長」じゃなくて「雑用」?

森田成一撮影=篠田直人


――「千年血戦篇」もいよいよ折り返しを迎えました。ここまでの印象はいかがですか?

森田:折り返しという実感はなかなか湧かないです。これまでの2クールは、僕のなかの『BLEACH』史上、戦っていない期間がいちばん長い感じがしていて。展開的にそうなることは分かってはいたのですが、なかなか派手に暴れるシーンが少ないので、少し鬱々としていました(笑)。しかし護廷十三隊や零番隊のみなさんをはじめ、さまざまなキャラクターたちに光が当たっていて、より「千年血戦篇」に厚みを与えているなと感じています。

杉山:僕も森田さんと同じ印象です。とくに雨竜はまだそこまで出演シーンも多くないので、これから先に待っているであろう雨竜の活躍を心待ちにしているところです。一方で、ひとりのファンからすれば、森田さんが言うようにほかのキャラクターの魅力が際立っていますよね。とくに久保帯人先生が監修に入ってくださっていることで、原作では描かれていなかった細かい部分まで、しっかりとアニメに落とし込まれている印象があります。

森田:「千年血戦篇」以前のアニメは、どのセリフも基本的には原作ありきなので、僕としても原作が参考書代わりになっていました。ですが「千年血戦篇」では新たに書き加えられた部分が多く、けっこう手探りなんです。久保先生に伺ったりもするのですが、いつも「森田さんがやることが正解です」と言われて。責任重大です(笑)。

――雨竜もまだまだ謎めいた雰囲気を崩しませんね。

杉山:僕としては、雨竜はこういうことを考えているのかな、などいろいろと思うところもあるのですが、演出上の意向でそこはあえて表現していません。連載当時、読者の皆さんは雨竜の言動に「どうしたんだ?」と感じたと思います。今回初めて『BLEACH』に触れる視聴者さんにも、原作を初めて読んだ読後感を感じてもらいたいという狙いがあります。少し冷たく見えるかもしれませんが(笑)、意図的な演出です。

――収録現場の雰囲気はいかがですか?

森田:とても良い雰囲気です。ただ一護と雨竜が直接対峙するシーンはまだあまりないので、現場で杉山君と会うことはほとんどないんです。僕はだいたい織姫(松岡由貴)や茶渡(安元洋貴)、岩鷲(高木渉)、夜一(ゆきのさつき)なんかといっしょに収録することが多いのですが、毎回ゆきのさつきさんと松岡由貴さんがちょっかいを出してきて、困っています(笑)。

杉山:昔からそうですよね。

森田:そうなんですよ。ゆきのさつきさんはとくにヒドくて、僕がトイレに行っているスキに台本に落書きをしたりするんです。シリアスなシーンで一護が「行くぞ!」とカッコよく決めるセリフがあるのですが、そこにハートマークが足されていたり(笑)。思わず可愛く言っちゃうところでした。ほかにもリハーサルVTRを僕に返却させたりとか、これはもう「座長」じゃなくて「雑用」ですね(笑)。

杉山紀彰撮影=篠田直人