【漫画】取材のために訪れた大阪・西成…そこで体験する初めての解体現場で命の危機を感じる「死ぬほど共感」「雰囲気がリアル」などの声

2024/10/17 08:00 配信

芸能一般 インタビュー コミック

『西成ユートピア』が話題(C)國友公司 ワダユウキ/新潮社松村

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、くらげバンチで連載されていたワダユウキさんが描く『西成ユートピア』(原案:國友公司『ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活』/彩図社刊) より第9話をピックアップ。

くらげバンチ公式X(旧Twitter)が2024年8月18日に本作を投稿したところ、1万件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、ワダユウキさんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。

体験ルポを原案としたリアルな現場の様子

『西成ユートピア』(8/61)(C)國友公司 ワダユウキ/新潮社松村

裏モノライターの主人公の國友(くにとも)は、編集長から大阪市西成のあいりん地区で1ヶ月間生活をして、西成の街をルポするように言われる。そして、解体業者や鳶職人など総勢100名程が働く、デパートの解体現場で15日間働くことになるのだった。

新人として現場に来た國友は、危険な現場だと恐怖を覚える。初めてであることを現場の人に伝えると、まずアタッチメントの交換を覚えるように言われる。何度やってもうまくいかない國友は、度々怒鳴られてしまう。最終的には「簡単な仕事だけやっとけ」と言われ、別の人にやってもらうことに。現場にもヒエラルキーがあることを身をもって知るのだった。

慣れない仕事に必死になっていた國友だったが、ふと携帯電話の時間を見ると、まだたいして時間が経ってないことに気づく。この仕事が15日間も続くかと思うと、その長さにうんざりしてしまうのだった。その後、ユンボには背を向けてはいけない、足元には気を付けなければならない、など現場での注意事項を教えてもらう。現場は下手すると死に繋がることを知るのだった。

着々と自分の仕事をこなす國友だったが、ふと上を見上げるとがれきの破片が落ちてくるのが見え、自分は死んでしまうのではないかと、危機を覚えるのだった…。

作品を読んだ読者からは、「現場の解像度高い」「こういう仕事、大変よなぁ」など、反響の声が多く寄せられている。

作者・ワダユウキさん「あまり扱われないテーマを軸に作品を作っていけたら」

『西成ユートピア』(10/61)(C)國友公司 ワダユウキ/新潮社松村

――『西成ユートピア』は、國友公司さんの『ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活』が原案となっている漫画とのことですが、この作品を描かれようと思ったきっかけや理由などをお教えください。

編集さんから描きませんか?とお誘いいただのがきっかけです。元々、おっさんを描くのが好きで西成ルポを題材にすればおっさん描き放題だなと思い描いてみようとなりました。あと雑多な路地裏やレトロな飲み屋街、商店街に心惹かれるところがあったので一石二鳥だなと。(編集さんもその嗜好に気ついていたらしく策略に乗せられました笑)

――今作を描くうえで、特に心がけているところ、大切にしていることなどをお教えください。

舞台が実在する場所なのでリアリティは大切にしました。実際に國友さんと取材に行き真夏の中、あいりん地区を隅々まで歩いたのは良い思い出です。

――今回の作品のなかで、特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

おっさんとのドタバタなど気に入っているシーンは沢山ありますが最終話で”ユートピア”の意味を描けたのが気に入っています。

――今作には、共感の声を含む多くの反響がありました。『西成ユートピア』に関する多くの反響の中で印象に残っているものはありますか?

解体現場に行く話があるのですがその中で出てくる遠藤さんを擁護する声の多さに驚きました。厳しくて怒鳴ってばかりの遠藤さんですが不器用な男なりの優しさにに気づいてもらえて嬉しかったです。

――ワダユウキさんご自身や作品について、今後の展望・目標をお教えください。

今は教育の闇に切り込んだ「教育虐待-子供を壊す『教育熱心』な親たち」の作画を担当しているので是非読んで頂ければと思います。また國友さんと新しい作品をと頑張っている最中なのでカタチになった際は応援よろしくお願いします。

――最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。

これからも漫画を通してあまり扱われないテーマを軸に作品を作っていけたらなと思っています。私の作品を見かけた際は恐れずに読んでみてください笑