和田明日香の本質は“家っぽさ” 「おもてなし」と「ゆる宅飲み」の違い、“家族に作っている料理”が持つ大切な意義

2024/10/07 18:00 配信

バラエティー インタビュー

和田明日香が語る「おもてなし」と「ゆる宅飲み」の違いザテレテビジョン撮影

和田明日香がオリジナルレシピでお酒に合う料理を作り、宅飲みをしながらお客さまをおもてなしする料理番組「和田明日香とゆる宅飲み」(毎週火曜夜10:00~、BSテレ東)。8回の不定期放送を経て、ついに10月8日(火)からレギュラー放送がスタートする。放送を前に和田へインタビューをおこなったところ、「よくこんなにほったらかしてくれているな (笑)」と番組制作の裏側を語ってくれた。

「伝えたかったことが視聴者さんに伝わっているんだな」


――シーズン1、シーズン2と続き、今回ついにレギュラー化を果たしました。視聴者やファンの方からの反応はいかがでしたか?

和田明日香(以下、和田):この番組は行く現場、行く現場で「観ています!」と言われる珍しいパターンでしたね。「あなたも?あなたも観てくれているの!?」と思って、すごく嬉しかったです。

――ご自身の名前が入る冠番組が身近なところで反応がいいと嬉しいですよね。

和田:まわりに酒飲みが多いのかもしれないですけど(笑)。もちろんSNSで私をフォローしてくださっている方や、放送をキッカケに番組Instagramのフォロワーになってくださった方からもたくさん反応をいただいています。番組に対する感想を、SNSを通して届けてくださるんです。

この番組は普通の料理番組にせず、ゆるい宅飲みの空気感、楽しさをお届けしたいと思ってはじめた番組です。感想を見ると「伝えたかったことが視聴者さんに伝わっているんだな」と、嬉しくなります。

――ありそうでなかったジャンルの料理番組だと思います。

和田:そうですよね、よくこんなにほったらかしてくれているなと思います(笑)。スタッフさんからは「料理中に次はなにをやりますなど、料理工程を言えたら言ってくださいね」と言われているんですけど、工程を言える隙がなかなかなくて。

収録では普段のように淡々と料理をしているんですけど、編集していただいたものを観るとちゃんと何を作っているのか、何をしているのかがわかる…。スタッフの皆さんに助けられているなと感謝しています。

――本業は料理家の和田さん。2シーズンを経て、“トーク”で進化した部分はありますか?

和田:あるといいんですけどね(笑)。収録はゲストの方によって色々変わるんだなと感じています。
一応準備はしていくんですけど、いざ座らせてもらって乾杯をすると考えていたことを忘れちゃうんです(笑)。だから本当にその場でのお話をしているだけなんですよ。流れに身を任せてやっているので、意識して気をつけていることはあまりないです。

もちろん、失礼なことは言わないようにはしていますよ(笑)。でも基本的には、「放送できないことを話してしまっても、編集してもらえればいいかな」ぐらいの気持ちでやっています。逆にこちらが「トークしましょう!」と構えてしまうとゲストの方もその空気感で対応してくれるんだろうなと思うので、なるべく構えないように心がけていますね。

――毎回、初対面の方とトークと料理の両方をこなすのは大変そうです。

和田:そうですね。でもトーク番組だと「トークを頑張らないといけないな」と思うだろうし、料理番組なら「料理を頑張らないと!」と思うじゃないですか。ところがこの番組は両方なので、いい感じに気が抜けているみたいです(笑)。

「ゆる宅飲み」と「おもてなし」の違い


――番組のタイトルにもある“ゆる宅飲み”と“おもてなし”の違いはどうお考えですか?

和田:難しいですね。どちらも私が招いて料理を食べてもらうという立場なんですが、“おもてなし”はこちらがすべてお膳立てして、ただただ楽しんでいただきたいという気持ちが強い。一方で“ゆる宅飲み”は「一緒に楽しみましょう!」という気持ちの方が強いかもしれないですね。

この番組の場合は料理を作りながら、どちらの味付けにするか迷ったらゲストの方に「どっちがいいですか?」と聞いたり、相談することもあります。「ちょっと失敗したけど、いいですよね?(笑)」みたいなことも。

もちろんレシピは頭の中に入っているのですが、その場で何が起こるかはわからないし、それでもOKという気持ちで作っています。きちんとした台本がなく流れるままにトークをしているので、どんな展開になるかわからない怖さはありますが。普通に飲んで楽しく話している感じがいいかな、と思っています。

――いろいろな料理家さんが活躍されているなかで、和田さんの強み、特徴はなんだと思いますか?

和田:“家っぽさ”かなと思っています。先日、お客さまに古市憲寿さんが来てくださったんですけど“ハンバーグ好き”と知りまして。そこで普段チョコしか食べないという古市さんに「美味しい!」を言わせるぞと気合いを入れて、結構本格的なハンバーグを作ろうと思ったときがあったんです。

でもどう頑張っても、お店の本格的なハンバーグには勝てない…というより、勝とうとも思わないことに気がつきました。お店の味を目指すより、私が普段家族に作っているハンバーグを作ろうと。すごく家庭的な味だけど、こっちのほうがずっと信頼と実績のある味を出せると思って結局いつものハンバーグを作りました。(10月22日放送予定)

料理家をやっていくなかでは「どんどんスキルを高めたい」とか「どんどん専門性を上げていきたい」ということより、「家族が集まっているときのご飯を自分なりの言葉とやり方で発信していきたい」と思っています。そういう部分が、私らしさになっていくといいなと。

――そういう考え方は料理家をスタートさせた頃から変わらないのでしょうか?

和田:最近までは意外な食材の組み合わせで料理をしてみたり、「この料理もレンチン1発で!」みたいなキャッチーなものを求められがちでした。でも私は必ずしもそういうものばかりを作っているわけではないし、「ずっと作り続けたくなる料理ってそういうことではないんじゃないかな」と考えています。

そういう切り口も料理コンテンツの1つとしてはいいのですが、私はもっと“なんでもないとき”に作っている料理に寄り添っていたいなと思っています。「10年かかって地味ごはん。」という料理本を出したときに、やっぱりここが本質だなと思いましたね。

関連人物