ところが、ラストでほこ美の思いは覆された。なんと、結婚費用の回収でひと肌脱いだのは、「婚約者から取り戻した分、俺に貢いでくれるかなって」と思っての事だったと明かしたのだ。「クズ…クズ! 最低!」と叫んだほこ美は、海里を殴ってやるためにボクシングジムに駆け込むというわけだった。
海里を演じる玉森が実にうまかった。キュンとする優しげな雰囲気を醸し出していたのに、大逆転で毒っ気をのぞかせた。ただ、序盤の優しさは“人たらし”というキャラクターに納得もした。そして「こんな子、初めて」というせりふが2度出てきたが、最初はキュンとしたのに、次のときはほこ美のまっすぐさをあざけるような感じだった。
玉森は、同枠で2021年に放送されたドラマ「オー!マイ・ボス!恋は別冊で」にて、同じカメラマンを仕事にする役でも、“子犬系”でヒロインを翻弄していた。今回は打って変わった役でありつつも、優しさと真逆のクズっぽさにも引き込まれて、沼らせる魅力たっぷりだ。また、その後のラストで見せたシャワーシーンでの物悲しげな背中も気になるところ。モテるのにあえて距離を置こうとしているようで、秘密を抱えているミステリアスさも“沼”の理由の一つだ。
「#あのクズ」が世界トレンド1位になる反響となったSNSには、「海里が思ったよりクズだった」「クズだけど沼すぎ」「クズってわかってても沼る」「抱えてる闇が大きそう」「シャワーシーンが切なかった」といった海里への投稿も多く、「海里くん」もトレンド入りした。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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