家入レオが語る等身大の結婚観「不自由も悪くないと思える年齢になって、結婚を身近に考えられるようになった」

2024/10/12 10:00 配信

ドラマ バラエティー

家入レオの新曲「あの人」がABEMA「さよならプロポーズ via ギリシャ」のテーマソングに撮影=宮川朋久

なかなか結婚に踏み切れない2組のカップルが7日間の海外旅行を経て、最終日に“結婚”か“別れ”のどちらかを決断する結婚決断リアリティ番組「さよならプロポーズ」新シリーズ「さよならプロポーズ via ギリシャ」(以下「さよプロ」)がABEMAで配信中(毎週木曜夜9時)。今回は、番組テーマソング「あの人」を歌う家入レオにインタビュー。曲に込めた思いや結婚について、そして恋愛リアリティショーの楽しみ方などを語ってもらった。

結婚には恋の煌めきのような魔法が使えない

――「あの人」が「さよならプロポーズ」のテーマ曲に選ばれました。
聞いたときはうれしかったです。実は「あの人」は、10月2日にリリースされたニューアルバム「My name」に収録しようと作った曲だったんですが、曲に込めている思いや情景が“さよプロ”と近しいものがあったのでピッタリだなと。恋の延長線にある深い人間関係を描いている番組に寄り添った内容になっていると思います。

――タイトルが「あの人」となっている理由を教えてください。
2人が出会うまでにもお互いいろんな人との出会いや出来事を経験していて…。特に“さよプロ”のように結婚に進んでいくには、憧れに対して手を振らなきゃいけないところもあると思うんです。ここで言う「あの人」とは、お互いの過去や、諦めた夢、恋という理想などを含めています。結婚という現実を見据えなければいけない機会に、変わっていく思いやこれまで出会った人々から知らずに影響を受けていた自分の姿を感じ取っていただければと思います。

――結婚は色んな面で決心しなければいけないことが多いですね。
恋はある意味お互いのいいところしか見えない時間ですが、結婚となると人間としてお互いがどう手を取り合って生きていくか幾度となく試される気がするので。恋の煌めき、というか、魔法が使えない場面に生活の中で直面してしまう。今まで許せていたことも1人の人間として向き合ったらどうしても譲れなかったりして。“さよプロ”を見ていても、登場のキラキラ恋人同士から、1人の人間同士になっていく感じがすごく面白い。私を含め、視聴者はハッとさせられることが多いと思います。

――家入さん的な“さよプロ”の楽しみ方はありますか?
多くの方と同じだと思いますが、2人を見守りながら、自分の価値観を発見している気がしています。自分にとって結婚や恋愛はどういう意味を持っているのかなど、今まで見えていなかったことが見えてきたりする瞬間が面白いですよね。人の行動を通して、自分の意外な一面を知れたり。思いも寄らないことに気づかされたりすることもあるんですよ。それが勉強になるというか、恋愛って奥深いと感じさせられます。

撮影=宮川朋久


結婚が身近に感じられるように

――結婚について考えることもありますか?
私は、2人でいるなら結婚という形をとらなくてもいいのかなと考えていました。でも近頃、今までは自由を求めていたけど、不自由も悪くないのかなと思いはじめていて、自分の中で少しずつ結婚が身近なものになってきたのかもと思っています。

――不自由を楽しめるようになってきたのですか?
人生が決定されることに恐れがなくなってきたのかもしれないです。家族がいる友達と一緒にご飯に行ったときに、「夜9時には帰らないと」や「今日は自分が好きなものを食べられてうれしかった」といった、家族がいることによる不自由さみたいなのを感じている友達を見て、少しうらやましいと思ったりするんですよ(笑)。価値観って変わっていくんだと年を重ねるにつれて感じています。

――現在29歳、年を重ねるにつれて作る曲に変化はありますか?
あると思います。その年齢でしか感じ得ない、見えない世界があるからこそ、今現在の自分の気持ちを真っ直ぐ音楽にしたいです。

――「あの人」が流れたら“さよプロ”を思い出す人が多くなると思います。
“さよプロ”を入り口に、私の曲が誰かの曲になってくれるのは本当にうれしいです。私が音楽をする上で大事にしていることは、“聞く人の人生のサントラになりたい”という思いなので。聞く人が「私のために作られた曲では?」と思ってくださったら、これほど幸せなことはないです。番組のテーマソングになるということは、そう思ってくれる人が増えることのような気がしています。

――ちなみに今回の番組の舞台はギリシャですが、旅行は好きですか?
旅行好きです。私は福岡で生まれたのですが、子供の頃からふと、ここにいていいのかな?って心細さを感じる瞬間があって。東京に行けば、しっくりくるのかなと思っていたけど、まだここだ!と思えていない気もしていて。海外旅行に行ったときは、不思議な既視感というか、“これが本当の私”と思う瞬間に出会えることが多くて。旅は非日常だからやっぱり楽しいですが、そう思えるのは日本での日常があるからで。旅行は当たり前になっていることの大切さを教えてくれるきっかけにもなると思います。

――番組で旅行するのも、非日常を味わうことで日常を思い返すという大きな役割を持っていますね。
非日常の中で自分の人生や日常を決めていくという対比がすごく面白いです。恋愛の情熱と生活の中にある冷静のコントラストと旅行先の美しい風景が絶妙ですよね。

――旅行での思い出を教えてください。
トルコに行ったときに、ウィークリーマンションみたいなところに泊まったのですが、ちゃんとしたところなのに冷蔵庫やランドリーが壊れていて。英語ができる友達がしっかりと主張したら、「日本人でこんな強気な人は初めて」と一緒にご飯を食べることになりました。その世界だから見える新しい世界や価値観を知ることができて話してくれてすごく面白かったです。旅に出ると現地の方と触れ合って面白いことが起きるので楽しいです。

――最後に“さよプロ”ファンにメッセージをお願いいたします。
SNSをはじめとして簡単につながれる時代になったからこそ、誰もが人と深くつながることの怖さや面倒くささを感じていると思います。ただその怖さや面倒くささから逃げなかった人だけが本当の喜びや温かさを手に入れることができる気もしています。番組を楽しみにしている方と登場するカップルの心に「あの人」が寄り添えたらと思います。

撮影=宮川朋久