コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、『イドの遺言』(海王社)を紹介する。作者のアサヮさんが、8月12日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、1.4万件を超える「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、アサヮさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
居酒屋で乾杯する諒雨と和耶。諒雨は和耶に半ば無理矢理連れて来られていた。和耶と久しぶりの再会をした諒雨は「和耶…ずいぶん変わったな…」と思いながらお酒を飲んでいる。
和耶が酔っ払ったおじさんに絡まれているところを、諒雨が助けたことで、2人は6年ぶりくらいに再会。「諒雨全然変わってないなー!」と話す和耶を見て、諒雨は心の中で「やっぱりこんなノリじゃなかったよな」と違和感を感じていた。
話し方や表情が諒雨が覚えている和耶とは大きくかけ離れていたが、諒雨は「何年も会ってなかったし、このくらい変わってもおかしくないのか…?」と自分を納得させようとする。
そんなことを考えているうちに、諒雨は和耶との小中学校での記憶を辿り、あることを思い出して…。
この漫画を読んだ人たちからは、「しんどい…好き…」「お互いに愛が歪んでてでも深くて好き」「新しい三角関係すぎてゾクゾクした」など、多くのコメントが寄せられている。
――『イドの遺言』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
「&.Emo」さんで連載させていただくにあたって当時の担当さんから「影のあるお話が見たい」とのご要望があったので、いくつかプロットを書いた中で一番拗れた内容のものを連載用に選びました。素直になれないせいで自分の首を絞めていく人たちを描こうと思った作品でした。
――複雑な心境で和耶の元へ向かう諒雨の表情が非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。
読む人によって感じ方が変わる終わり方にしたかったので「読者の方なりの今後の二人」に思い馳せられる作品にできていたらうれしいです。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
3話で別人格和耶の言った「自分には正直じゃないと」は、この作品のまとめのようなセリフなので気に入っています。4話最後の「諒雨の話が頭に入ってこない和耶」が作中でいちばん感情的なシーンだと思うので描いていて楽しかったです。
――普段作品のストーリーはどのようなところから着想を得ているのでしょうか?
何か抱えているものがあって真っ直ぐに歩けない人たちを描きたいというのが最初にあって、そこから登場人物は何に思い悩んでるのかどうしたいのかを考えて話を作っています。BLの恋愛要素と相まって暗くて重い話になりがちです。『イドの遺言』では攻めの和耶と受けの諒雨どちらも不器用で和耶に至っては自己嫌悪を拗らせているので、色々とトラブルの起きる話になりました。
――作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか?
表情を描き分けようと毎回必死に頑張っています。
――今後の展望や目標をお教えください。
とにかく漫画を上手く描けるようになりたいです。頑張ります。生きている間は陰気なBL漫画を描き続けたいです。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
作品を読んでくれる方のおかげで漫画を描き続けられています。本当に本当にありがとうございます。新しいBL漫画の連載やその他色々と準備しているものがあるので、お待ちいただけたらうれしいです!
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