コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は山中灯里さんが描く『こじらせ百合好きオタクだとバレた相手といつかBLになる話』をピックアップ。
2024年9月16日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、1.1万件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、山中灯里さんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。
野地春樹(やちはるき)は”ふわふわでキラキラの王子様”と女子にもてはやされる人気者。みんなとうまく付き合う野地だが、百合好きオタクであることはひた隠しにしている…。小鳥遊綾人(たかなしあやと)は不登校の同級生。面識はなく、共通点もなさそうに見える二人だが、ひょんなことから知り合いになる。
出会いから早々にオタクであることを見抜かれた野地は小鳥遊の自宅に遊びに行くようになり、いつしか他の誰よりも小鳥遊と仲良くなった。百合好きオタクである事実もマンガを熱く語ることも、小鳥遊になら隠さなくていい…。
“こじらせたちょっと気持ち悪いオタク”
自然体の野地をそのまま受け止めてくれる小鳥遊はいつしか野地にとってかけがえのない存在になっていく…。本作には、「エモーーーー」「とても好き」など、多くの反響が寄せられた。
『こじらせ百合好きオタクだとバレた相手といつかBLになる話』は『気持ち悪いと言ってくれ』の第一話ですが、創作したきっかけや理由などをお教えください。
「とにかく自分自身が読みたいものを描くぞ!」と描き始めた作品でした。自分による自分のためのオーダーメイドのような感覚だったかもしれません。
仲の良い、しかし完全にカラッとしている訳ではなく、どこか湿度のある友達同士という関係が好きなので、その関係性を軸に話やキャラを作りあげていった記憶があります。
実は元々、ラストまで完全友情ものの作品にする予定でした。しかし最終話までの大まかなプロットを作る中で「この展開になるなら恋愛感情をもった方が自然なのでは?」と感じたため、”友情色の強いBL作品”にジャンルを決め、第一話を描き始めました。
――本作を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。
シリーズを通して、メインキャラ二人の関係性、空気感のようなものにこだわって描いています。
情緒的・感傷的な場面とコメディ的な場面とで、がらっと雰囲気を変えているようでいて、実際は地続きの、どちらも大切な二人の時間であることを意識しました。
真面目な会話を交わせる関係でもあり、互いに「あなたとくだらない話がしたい」と想い合える二人の関係性が表現できていたらとても嬉しいです。
――作品の中でとくに気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
第一話では、小鳥遊の家に招かれてすぐ、小鳥遊が学校用から自宅用のジャージに着替えて来るシーン。
ストーリーの主軸とは関係のないさりげない場面ですが、若干のシュールさ、へんてこさがあり、妙にお気に入りのワンシーンとなっています。
また、他話数になりますが第二話は全体を通してお気に入りです。一番二人の関係性を表現できた手応えを感じたので、描けて良かったなと思えた回です。
――今後の展望や目標をお教えください。
自身の画力や表現力の乏しさに打ちひしがれることが多いため、そうした至らない部分を少しでも埋めていけたらと思っております。
よりキャラやストーリーを魅力的に見せられるよう、今後も努力していきたいです…!
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
もともとは個人の趣味に走りすぎた内容ゆえ、ごく一部の人に読んでもらえたら万々歳だな…と投稿した作品でした。
予想に反し、投稿後はたくさんの人々に読んでいただける機会に恵まれ「こんなありがたいことがあっていいのか...!」と日々感謝の思いを噛み締めております。本当にありがとうございます。
さて、『気持ち悪いと行ってくれ』本編ですが、今まで通りの友情的な要素はありつつも、今後はBLらしい恋愛要素も徐々に増えていく予定です。ぜひ少しずつ変わっていく二人の関係を見守っていただけると嬉しいです。
そして、キリの良いところまで進み次第、まとめて作品を読める形にしたいとも考えております。まだ詳しいことは未定ですが、そちらも楽しみにしていただけたら幸いです。
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