中島健人がソロデビュー「僕は“Born to be アイドル”」timeleszへの思いも語る

2024/10/17 19:48 配信

音楽

中島健人

「16年間もキラキラしている人生を皆様のお陰で過ごさせていいただいています」


ーーいつ頃からアルバムを作ってソロコンサートをしたいと考えていたのでしょうか。

中島 4月に「I AM:U」というファンクラブを解説させていただいてから、多くのファンの皆様に支えられているという実感、体験がありました。そこで、直ちに恩返しできる場所がほしい、と。それに付随して、しっかり自分の音楽的表現を体現できる場所はライブだということを春のタイミングでは考えていましたね。そこから自分の日々考えていることやインスピレーションをアルバムのために考えながら、今日まで歩んできました。

ーーアルバムのタイトル『N / bias』はどういった意味が込められていますか

中島 自分の今考えている言葉やメロディを形にしてみるというのが、このタイミングでやりたいことでした。かつ、最も重要なテーマで言うと、中島健人に対する偏見や評価を一度取っ払ってみて、人間としての殻を破るというのが『N / bias』のコンセプトです。

ーー殻を破って、どんな像を提示していきたいですか?

中島 僕は“Born to be アイドル”ではあるのでアイドル属性だし、16年間もキラキラしている人生を皆様のお陰で過ごさせていいただいています。そのキラキラアイドルだけではない部分、いわゆる“ノンバイアス”の部分も見せていきたいな、と。『N / bias』のNはネオであり、ナチュラルであり、中島でもあり。自分の素の部分をこのアルバムでは出していくことになると思います。個人的には今の環境の中で音楽制作をしていて、強く実感するのは「自分の頭の中にある言葉やフレーズ、メロディがしっかり具現化されている」ということです。すでにそこにあったレールを走るのではなく、レール作りからしてその上を走っていくという流れが、僕の1つ目の“殻を破る”ということなんですね。そのプロセスもちゃんとお客様にお伝えすることで音楽の聴き方も変わると思うし、受け手の気持ちもより幅が広がって自分の音楽の聞かれ方も濃くなっていくんじゃないかなと思っています。そういう意味では、まずは1つ殻を破れている気がします。

ーー今まで以上に自然体の中島さんが詰まっている、と。

中島 そうですね。自然体の色んな感情が入っています。今回は「改めて、初めまして」なので、僕の考えを最初に受け取ってほしいという気持ちが強いですね。自分の素の部分を隠すよりも、「今僕はこういう人生を生きている」、「こういう考えを持っている」ということを音楽を通して表現したいな、と思っています。

ーー収録曲はご自身で作詞作曲をしたりも?

中島 そうですね。産みの苦しみってこんなに心地良いんだなって思いました(笑)。ソニーさんの音楽チーム、自分のマネジメントスタッフなどに一度僕のアイデアを提出してみて、それを揉んで醸成して1曲に仕上げるのですが、プロの集合体なので簡単には通らないんです。なので、自分の信念を貫き通すために日々感受性を豊かにしておいて、吸収して、形にして、アルバム制作に勤しんでいます。

ーーどれくらいの完成度のデモを提出するのですか?

中島 曲によります。ビートだけのバージョンもありますし、世界観だけわかっていただくためにワンコーラスを作って一度聞いていただくこともあります。今まではビートとメロディを普通に録音していたんですね。(ボイスパーカッションでリズムとメロディを奏でながら)こんな感じをボイスレコーダーに録音して、それを重ね合わせて「こんな感じで」とアレンジャーさんにお渡しして編曲していただいていました。でも、音楽ソフトを2年前くらいから少しずつ触りだしていたので、今回はしっかり頭の中に流れている音を形にしてトラックとして並べて。ミックスまではやれていませんが“ラフ・オブ・ラフ”みたいな状態で聞いていただいています。

ーー映像面でこだわったことはありますか?

中島 1曲目から「え、まじ!?」、「おぉ!」という、見たことがない中島健人が見れます。それも全部僕の仕業で、言われた作ったものではないです。来年は巳年なので、「あれ、私噛まれたかも?」と思うようなMVになっていると思いますよ(笑)。見終わった後に衝撃があるかもしれないですが、それも僕のナチュラル。僕にも喜怒哀楽があるし、紆余曲折があるし、それを強く伝えたいと思ったんです。もしかするとギャップがあるかもしれないですが、楽しんでいただけたら。それとクリエイター陣が同世代なんですよ。監督も体格が良い迫力ある方で、「ここはこうしてください」って貫禄たっぷりに言っていて。僕も「あ、はいっ! わかりました!」と返事していたんですけど、「監督っておいくつなんですか?」と聞いたら「29歳です」って。年下じゃんと思って、「あ、そうなんだ。よろしく」ってなりました(笑)。そんな感じで同世代のエネルギーが有り余った状態の人間が集まって、そのエネルギーを作品に詰め込みました。

ーー刺激も受けそうですね。

中島 受けますね。今年は東大出身のアーティストにダンスを教えるということもやったので、縁の巡り合いをかなり感じた1年でした。たくさんの新しい方に会っていますが、新しい自分にも会えた気がします。そんな新しい自分の側面、多面性を『N / bias』で表現したいですね。

ーーアルバムを作るに当たって、取り組んだことを教えてください。

中島 贅沢かもしれないんですけど、MV撮影に2日かけました(笑)。嬉しかったです。打ち合わせの段階で「複数日かけたい」というお話をしていたんですけど、それが実現できて、中身も濃いものになっています。とにかく時間をかけて、一つひとつにこだわっていることは、今回のアルバムの一つのポイントかもしれないですね。

ーー楽曲制作をする上で、クリエイター陣とのやり取りもありましたか?

中島 あります、あります。振付、アレンジャーとたくさんの方と関わらせていただいていて。今まで歩んできた表現の世界とは違った、出会ったことがない世界との超融合をしていますね。音楽的変化は一作品目で早速感じるかもしれません。僕はジャパンポップのアイコンになりたいんですよ。ジャパンポップって、いわゆる海外の方が思い浮かべる着物、侍、巻物、忍者などではなく、海外で再評価を受けた70〜90’sなどのニューミュージックなど、日本の良いところを下地にした新しい音作り、表現作りがジャパンポップだと思っています。そのアイコンになりたいというところで、今作では聞いたことがないような展開がある音楽が聴けると思います。

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