松本若菜が表現する心の機微が胸を打つ、怒濤の展開で世界トレンド1位スタート<わたしの宝物>

2024/10/18 11:05 配信

ドラマ レビュー

松本若菜の表情の演技に引き込まれる


その夜、夕食の準備をしながらフリーマーケットのときとは違う暗い表情の美羽を抱き締め、「ごめんな、最近」と言う宏樹。突然のことに驚き、嫌がる美羽の体を強引に求めた。

翌朝、まだ陽も昇りきらない時間に家を出た美羽は、そのまま思い出の図書館に向かった。その表情はうつろだった。すると、その図書館に冬月がいた。美羽は冬月と会って、再び心が動き出したと打ち明ける。宏樹との生活は、ずっと心が痛かったのだと気付いたのだ。「助けて」。そう言う美羽を冬月は抱き締め、冬月の部屋で体を重ね合わせた。

直後、冬月は、学校を作る夢をかなえるためアフリカに旅立つ。プロジェクトが軌道に乗ったら迎えに行くという約束をして。

冬月との約束が果たされるのをひそかに待ちわびる美羽だったが、妊娠が発覚。可能性を考えてDNA鑑定をすると、宏樹の子ではないと判明した。それと同時に、冬月がアフリカでテロの犠牲になったとニュースが流れた。感情が追い付かないまま雨にぬれて自宅に戻った美羽は宏樹に妊娠を告げた。

15分拡大で描かれた、美羽が「托卵」を決意するまで。「あなたの子よ」と宏樹に告げたときの表情は、不安や悲しみなどいろいろな感情がありつつも、“悪女”になると決めた静かで、でも強い決意にも彩られていた。

美羽の心の機微を丁寧に表現した松本に引き付けられた。宏樹に寄り添おうとしながらも本当のところは傷ついていること、冬月との再会の喜び、楽しさ、そして禁断の決意。表情ひとつでその動きが伝わり、心を揺さぶられた。物語は重いが、松本の“悪女”が楽しみでもある。

禁断のテーマであるだけに放送前から注目されていた本作、冬月に関する驚きの展開もあってタイトルが世界トレンド1位になる反響に。松本を含めキャストに「演技上手すぎ」の声も多く上がった。

◆文=ザテレビジョンドラマ部