コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、多くの人が知っているグリム童話の一篇をパロディ化し、ませた口をきき魔女の作った菓子を厳しく批評する「ヘンゼルとグレーテル」をピックアップ。なお、作者の西造さんはVコミとピッコマで「夜勤事件」(著:Chilla's Art/西造//出版:Vスクロールコミックス)と「ペット人間」(著:水谷健吾/西造//出版:Vスクロールコミックス)を同時連載している。また、Vコミが運営するYouTube番組「Vコミちゃんねる」で「身長差片思い」も配信中。
西造さんが2024年9月13日にX(旧Twitter)に投稿したところ、12万件を超える「いいね」を獲得し、「面白い!好き」「夢のない童話好き」など多くの反響が寄せられた。本記事では、西造さんにインタビューを行い、創作のきっかけやこだわりについて語ってもらった。
グリム童話の「ヘンゼルとグレーテル」では、ヘンゼルとグレーテルの兄妹は飢饉に苦しむ両親により森に捨てられ、森で迷うがそこでお菓子の家を見つけて食べる。だがそこに住む魔女に捕まり、ヘンゼルは太らされて食べられる運命に。しかしグレーテルが機転を利かせて魔女を窯に閉じ込め、助かる。2人は魔女の財宝を持ち帰り、父と再会し幸せに暮らす、というものだ。
西造さんがパロディ化した物語は全く異なる。父親に「一流のパティシエになるまで帰ってくるな」と言われ家を追い出されたヘンゼルは、父親の腕前さえ酷評する。森の中でお菓子の家を発見するが、ヘンゼルは衛生観念に疑問を呈して、実際に食べて「口どけが悪い」と批判。
魔女が現れるが、ヘンゼルとグレーテルは彼女を「おまえ」と呼び、菓子の質を酷評。魔女は泣くが、2人はお菓子の家なんておびきよせる手口だと見抜いている。最終的に「本物のおやつを食べさせてあげよう」と言い残す2人だが…。
ヘンゼルとグレーテルはクールに菓子の味を批評し、魔女に対しても上から目線。菓子を酷評するなど、もし本当にパティシエの子どもが生意気な性格で存在したらと喩えたコメディ漫画で、SNS上では「面白い!!」「美味しんぼ」「続きが読みたい!」「コミュ障な魔女さんかわいい」など、多数のコメントが寄せられ、反響を呼んでいる。
――「ヘンゼルとグレーテル」のモチーフはどのようにして生まれたのでしょうか?
以前「シンデレラ」で漫画をかいたところ、たくさんの人に読んでいただけました。みんな童話パロが好きなのだなと思い、もう少し描いてみようと思い描きました。
ヘンゼルとグレーテルを選んだのは、過去にも商業連載などで童話パロをいくつか描いたことがあるので「まだ描いていない童話」を探した結果、今回はヘンゼルとグレーテルになりました。
――パロディ化されたストーリーの構成上、工夫された点はどこでしょうか。
元々の、私たちが童話としてよく知っているヘンゼルとグレーテルでは「お菓子の家」は最初に兄妹をおびき寄せた以降はあまりストーリーに絡んできません。
もったいないので、お菓子の家にしつこくフォーカスしてみました。
――本作ではパティシエの子どもがいて、舌が肥えた生意気な子どもだったらという設定がなされています。本作を描く上で西造さんがこだわった点がございましたら、教えてください。
お菓子をおいしそうに描くよう心がけています。
最低限どんな食感のお菓子か伝わるようにしたかったです。
――「ヘンゼルとグレーテル」で西造さんのお気に入りのシーンやセリフを、理由と共にお聞かせください。
久しく他人と口をきいていない魔女が兄妹に接触するシーンが気に入っています。魔女のスカート丈がかわいく描けたので。
――本作で読者に注目してほしい点などがありましたら、お聞かせください。
グレーテルのスカート丈もかわいく描けたのでぜひ注目してほしいです。
――最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へメッセージをお願いします。
いつも漫画を読んでくださりありがとうございます。これからも漫画をたくさん描きたいです。かわいい女の子もたくさん描きたいです。どうかお楽しみいただけますように。
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