漫画家・井上三太による大ヒットコミックを原作とするステージ「TOKYO TRIBE」が、東京・TSUTAYA O-EASTにて9月29日から上演される。ヒップホップカルチャーを根底に敷いた本作にはラップやダンスがたっぷりと盛り込まれ、これまでにない一大エンターテインメント作品と言える仕上がりとなっている。劇中の振付は、梅棒の伊藤今人やPaniCrewの植木豪に加え、Beat Buddy Boi(以下、BBB)が参加。さらにBBBのSHUN、Toyotaka、RYO、SHINSUKEはキャストとしても出演し、初めての演技も披露している。今回、そんな4人にインタビューを実施。「TOKYO TRIBE」への参加にかける意気込みと、本作の見どころについて話を聞いた。
――いよいよ「TOKYO TRIBE」の上演がスタートしますね。
【SHUN】いい感じに全体像がまとまって見えてきているのでスタートが楽しみですね。僕たちは舞台が初経験なので最初はかなり緊張してましたけど、現場の雰囲気にももう慣れましたし。みんなでワイワイと、いい空気感の中で稽古できています。
【RYO】出演者の中にはダンスシーンで関わったことのある方も多いんですよ。はじめましての方がそんなにいないので、やりやすいところもありますね。
――本作への参加が決まった時はどう感じました?
【Toyotaka】すごく嬉しかったですね。僕らはダンスをメインにずっとやってきて、そこに対してはものすごく自信があるんですよ。でも、そろそろ新しい扉を開いていきたいなって感じていたタイミングでもあって。そんな時に今回のお話をいただけたから運命的なものを感じましたね。怖さはもちろんあったけど、これはもう飛び込んでみるしかないなと。
――初めての演技、役を演じることはいかがですか?
【SHINSUKE】今回の僕らの役柄は“ブクロWU-RONZ”というトライブのメンバーなんで、めちゃくちゃ悪いやつらなんですよ。僕なんかは普段、BBBの中では100%コメディに振り切っている人間なので、まったくそういうイメージがないというか。だからそこをいかに表現できるかっていうのが一番の課題ですね。みんなで1日1個ずつ悪いことをしていこうか、みたいなことを冗談で話したりもしてたんですけど(笑)。
――役になりきるために(笑)。
【SHINSUKE】そうそう。自分にないキャラクターを演じるのはほんとに難しいですからね。ただ、逆に言うと思いきり振りきってやればいいってことでもあると思うので、楽しんで臨めてはいます。
【RYO】ダンスにしても、ちょっとダークな雰囲気を出してみたりとか、敵とバトルする感じにしてみたりとか、そういうイメージングを大事にしてて。そういう部分もまた普段の僕らにはないテイストだからすごく新鮮ですね。
【SHUN】BBBは悪いやついないからねぇ(笑)。そのへんはけっこう難しい。
【Toyotaka】基本、育ちはすごくいいんで(笑)。「俺、人殴ったことないんだけどな」って思いながら殺陣のシーンをやったりもしてますから。頑張ってワルの感覚をつかもうとしてます。
――SHUNさんが演じるのは、ブクロWU-RONZのリーダー・メラという重要キャラですね。
【SHUN】すごくいい役をいただけたのが嬉しいっすね。みんなと同様に、普段の自分とは180度違うキャラなんで、いろんな方に相談してアドバイスをもらいながら正解を探していった感じです。原作のメラファンを納得させられる演技をしたいなって思ってます。
――劇中ではメラとしてラップも披露するそうですね。
【SHUN】基本は既存のJ-Rapの名曲を使ってストーリーが進行していくんですけど、その中には僕がメラの気持ちを乗せて書いたリリックが乗るオリジナルのラップパートがあったりもするんですよ。役になりきってリリックを書いて、それをラップするっていう経験も初めてなのですごく楽しいです。自分の中の新しい引き出しが開いている実感がありますね。
【SHINSUKE】SHUNはね、演技やアクションの練習も一生懸命してるし、休憩時間にもリリックを書いたりしてるんで、ほんと頑張ってるなって思いますよ。ごはんとかおごったほうがいいんじゃないかって思うくらい。
【SHUN】あははは。おごってください!
【RYO】俺らにもおごれよ。
【Toyotaka】ありがとうございまーす!
【SHINSUKE】いやいや、おまえらはいいでしょ。
【SHUN】この作品にかかわるようになってから俺、すげぇ真面目になってるんですよ。現場には絶対1時間半前には入ってしっかり準備したりとか。それくらいしてカラダに叩き込まないと絶対成功させられないと思うので。
【Toyotaka】人間的に更生されていってるよね。役柄はワルだけど(笑)。
――振付に関してはどんなイメージで手掛けていますか?
【RYO】トライブごとに振付が違う感じなんで、僕らはブクロWU-RONZの振付をメインにやっている感じです。俺ら的には、めちゃくちゃタイトでパワフルなヒップホップダンスをイメージして全編魅せていこうと思ってます。今人(梅棒の伊藤今人)さんや豪(PaniCrewの植木豪)さんがつけた振りとの違いにも注目してもらいたいですね。
【Toyotaka】BBBの振りだけ見ても、いつもとは違ったテイストを感じてもらえるところもあると思いますよ。共演してる宮澤佐江ちゃんのダンスなんかもSHINSUKEが手がけたんですけど、今までに見たことないものになってますから。「そんなキレッキレのジャズっぽい振付もできるんだ!?」ってメンバーも驚いたくらいで(笑)。
【SHINSUKE】女性らしくて、しかも強さもあるっていう振りは普段つくったりはしないですからね。自分なりにひねり出したんですけど、けっこう評判がいいから嬉しいです。
【Toyotaka】「TOKYO TRIBE」でのダンスは感情や情景を想起させるようなものが多いので、そこはやってる自分たちとしてもすごくフレッシュな感じなんですよね。難しさと同時に、やりがいもすごくあるというか。
――BBBとしても新たなトライをたっぷり注ぎ込んだ「TOKYO TRIBE」は相当ヤバイ内容になりそうですね。
【SHUN】間違いないっすね。舞台とは言え、ライブハウスを会場にしているので、ものすごくライブ感のある作品になると思います。しかも、芝居だけじゃなく、アクションやラップ、ダンスなどいろんな要素が詰め込まれてますからね。前代未聞だと思いますよ。
【Toyotaka】いろんなジャンルの人たちが垣根を越えてクロスオーバーしてる舞台だから。
【SHINSUKE】うん。舞台のシーンに一石投じることになると思います。
【SHUN】ヒップホップ好きはもちろんですけど、そうじゃない人にも絶対に刺さる、間違いなくアガる作品になると思います。自分としてはラップの面白さを生で感じてもらいたいっていう気持ちもあるし。
――ヘンな先入観は取っ払って、その革新的な世界に飛び込んでほしいですよね。
【RYO】うん。知り合いの小学2年生の子も観に来てくれるって言ってたんで、幅広い世代の方に刺さるエンターテインメントをお見せしたいなと。
【Toyotaka】今のダンスシーンを見ると、ダンスだけに固執して他のカルチャーにあまり目を向けてない人が多いような気がするんですよ。でもダンスの幅を広げるためには、いろんなことに目を向けたほうがいいと思うんですよね。そういう意味でも、様々な要素が盛り込まれた「TOKYO TRIBE」というエンターテインメントは絶対的にオススメっすね。
【SHINSUKE】このステージを通して、ダンスにはいろんな可能性があるんだよってことを感じてもらえたら嬉しいですよね。
(撮影 / 後藤倫人 取材・文 / もりひでゆき)
SHUN
独自のフロウとクリアなマイクパフォーマンスを得意とする大阪出身の期待度No.1ラッパー。2015年4月、ストリートダンスシーンで絶大な人気を誇るBeat Buddy Boiに加入することを発表。ラッパーSHUN、そしてダンスボーカルグループBeat Buddy BoiのSHUNとしてさらに活動の場を拡げている。舞台「TOKYO TRIBE」では、“ブクロWU-RONZ”メラを演じる。
SHINSUKE
10歳でジャズダンスに出会い、18歳からストリートダンスを始め今のスタイルに至る。バク転や180°開脚ジャンプなどアクロバットもこなす。メンバーにはいじられキャラとしてかわいがられ、幅広いファンからも親しまれている中、そのキャラクターと趣味を生かし、近年ではアニソン&ボカロダンスバトルイベントに出演。現在連続優勝中のため、その世界でも渦中の人となりつつある。舞台「TOKYO TRIBE」では、“ブクロWU-RONZ”ブードゥーを演じる。
Toyotaka
慶応義塾大学卒業後、社会人を経験しながらもBeat Buddy Boiのメンバーとして活動を続ける。卓越したアイソレーションとグルーヴを駆使した踊りで観客を魅了する。また、ヒューマンビートボクサーとしてチームのショーケースの幅を拡げるだけでなく、BBB単独LIVEでは演出を努めるなど多岐に渡り才能を発揮。メンバーYASSと共にEXILE SEKAIとのダンスチーム「FTHEB」のメンバーとしてアンダーグラウンドシーンでも活動中。舞台「TOKYO TRIBE」では、“ブクロWU-RONZ”ビズを演じる。
RYO
高い身体能力からアクロバットなダンスを得意とし、チーム内ではダンスパフォーマンスの構成も担当。ダンスだけではなくMPC(楽器)を自在に操りBBBのパフォーマンスの幅を広げる。 また、そのストイックさと卓越したダンススキルは国内のみならず海外からも高い評価を受け、毎年諸外国から招聘されダンスの普及に尽力している。また、「SONY Xperia」TV CMのO.A時にネットニュースでも「あのイケメンダンサーは誰?」と騒がれたルックスを生かし、モデルとしても活躍中。舞台「TOKYO TRIBE」では、“ブクロWU-RONZ”バサラを演じる。
タイトル:TOKYO TRIBE
原作:井上三太(「TOKYO TRIBE2」)
構成:家城 啓之 演出:伊藤今人(梅棒)
振付:梅棒 / Beat Buddy Boi / 植木豪
音楽監督:KEN THE 390
キャスト:梅棒(伊藤今人 / 遠山晶司 / 遠藤誠 / 塩野拓矢 / 櫻井竜彦 / 楢木和也 / 野田裕貴)、Beat Buddy Boi(SHUN / Toyotaka / RYO / SHINSUKE)、植木豪、宮澤佐江、當山みれい、大野愛地、魚地菜緒、YU-YA、ACE、DOTAMA、KEN THE 390
<東京公演>
会場:TSUTAYA O-EAST 公演期間:2017年9月29日(金)~10月8日(日)
<名古屋公演>
会場:ZEPP NAGOYA 公演日時:2017年10月11日(水)19時・10月12日(木)19時
<大阪公演>
会場:松下IMPホール 公演日時:2017年10月21日(土)13時 / 18時・10月22日(日)13時
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