<るろ剣>剣心&操の凸凹コンビが爆誕、コメディからシリアス展開に急転直下

2024/10/21 10:00 配信

アニメ レビュー

TVアニメ『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 京都動乱』第27話より©和月伸宏/集英社・「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 京都動乱」製作委員会

凸凹だが、絆が生まれていく剣心&操


引き続き、山中を歩き続ける剣心と操。鼻息荒く蒼紫や御庭番衆のことを話して聞かせる操だが、剣心のリアクションは薄く、納得のいかない操。とは言え、そんなこんなで少しづつ距離が縮まっていくふたりだったが、山中で死に際の男を発見したことで事態は一変。男は剣心に、自分の弟と村を志々雄真実(CV:古川慎)の一派から救ってほしいと伝えて息絶える。男の弟である三島栄次(CV:千葉翔也)から新月村を取りまく事情を聞いた剣心は、操と栄次を山に残し、単身で新月村へと乗り込むのだった。

このパートでは、剣心や操の優しさが随所に光っていた。剣心はあとを続く操が歩きやすいよう地面を踏みならし、障害物となる小枝をおる優しさを見せたかと思えば、それに気づいた操が昼ご飯のカンパンを剣心にあげようとするなど、お互いを気遣う展開。とくに操は、優しさを表に出さない剣心の姿を蒼紫に重ねるなど、かなり心を許した模様だ。こうした素直さもまた、操の魅力と言えるだろう。また剣心はほかにも、目の前で死にゆかんとする男に対して「なにか、言い残すことはないでござるか?」と声をかけるなど、とにかく優しい。かつて人斬りだったことへの贖罪の意味もあるのかもしれないが、それでも剣心という人間の本質が「善」であることを感じさせてくれるシーンだった。これにはSNSでも「剣心って、こういうところがカッコいいんだよ」「これは大人の優しさ」などの声が寄せられていた。

あまりにショックな新月村での出来事


新月村へと足を踏み入れた剣心が見たものは、惨殺されて広場に吊るされた栄次の両親だった。新月村を支配している尖角配下の部隊に取り囲まれた剣心は、その隊長格を一撃で倒すと、「一人残らず、叩き伏せる!」と、部隊全員を相手に戦いを挑む。一方、村の外に潜んでいた操たちの前に現れたのは、斎藤一(CV:日野聡)だった。

新月村では、あまりにもショッキングな出来事が起こっていた。ここは作画も特徴的で、両親の無残な姿を見た栄次がたまらずに泣き叫ぶカットは表情が素晴らしく、さらに途中からは水墨画のようなタッチになるなど、演出面でも工夫が施されており、ハイライトにふさわしいシーンに仕上がっている。またこの悲惨な出来事に対して、静かに怒る剣心の姿もまた印象的だ。前半までの操とのコメディ描写から、一気にシリアスな雰囲気に急変するギャップが効いており、これもまた「るろ剣」ならではの魅力だと言える。ラストには斎藤一も登場するなど、急展開はまだまだ続きそうだ。さて次回第28話(第二期4話目)「野心家の肖像」は10月23日(木)放送予定。期待して待とう!

◆文/岡本大介

TVアニメ『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 京都動乱』第27話より©和月伸宏/集英社・「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 京都動乱」製作委員会