竹内涼真、大人気ゲーム「龍が如く」の新たな実写化に挑む思い「本当に覚悟を持って臨まないといけない」

2024/10/25 18:00 配信

ドラマ インタビュー

竹内涼真撮影=黒木早紀子

2005年に誕生し、超人気シリーズとなったゲーム「龍が如く」から着想を得たオリジナルストーリーによるAmazon Originalドラマ「龍が如く ~Beyond the Game~」がいよいよPrime Videoで世界配信される。“堂島の龍”に憧れる主人公、桐生一馬を演じるのは俳優の竹内涼真だ。とにかくファンが多いゲームシリーズ。その世界観は多くの人の心に刻まれており、そんな原作を新たに実写ドラマ化するという企画は、スケール感が大きく、魅力でもあるが、演じる側は生半可な思いでは務まらない。竹内も「ただコピーをするのではなく、新しいものを作り直すというリスクを背負わなければいけない」と強い思いと覚悟で臨んだという――。

大人気ゲームの実写化「自分らしい、新しい桐生一馬を」

『龍が如く ~Beyond the Game~』場面写真(C)2024 Amazon Content Services LLC or its Affiliates.


実写ドラマ化の一報が出た際、大きな反響を呼んだ。竹内自身も、オファーが来た際には「本当に覚悟を持って臨まないといけない」と胸が高まった。まず監督と話をして意識したことは「一から作り上げていく」ということ。

「大きな原作の存在を超えるためにすることは、しっかりと原作をリスペクトしつつも、自分の奥にしまい込んで“作り直す”という意識がないと、きっと超えられない。それだけ大きな壁が立ちはだかっていました」。

“新しいもの”を構築するために重要だったことが、イメージから入らないということ。竹内は「ゲームの桐生一馬のイメージって、強くて男臭くて武骨で……という感じじゃないですか。そこから入ると、どうしても模倣になってしまう」と語ると「だからまずは内面から作ること。桐生一馬とはどういう人間なのかを考えて、僕のなかに桐生一馬を入れることから始めました」と“人間・桐生一馬”ととことん向き合った。

竹内涼真撮影=黒木早紀子


最初に竹内が思ったのが「なぜ桐生一馬は優しいのか」。そこから彼の人生をたどり「なぜ彼は戦うのか」「どうして神室町で(堂島の)龍になりたいのか」と思考を進めていった。

「簡単には答えは出ませんでした。トライアンドエラーをしながらでしたが、一つキーワードとして浮かんできたのが“愛情”です。一馬は愛情に飢えている。愛されたい人間。親がいないことで、無意識的に人間形成のパズルのピースが欠けてしまったのかな……と。そのピースを埋めようとするのが、桐生一馬を突き動かす、エネルギーなんだろうなって。」

竹内涼真撮影=黒木早紀子


10年間の桐生一馬を演じるうえで竹内が選択した掟破りの方法

『龍が如く ~Beyond the Game~』場面写真(C)2024 Amazon Content Services LLC or its Affiliates.


桐生一馬の心の底にある思いをしっかり刻み込んだあと、ビジュアルを作り上げていく作業に入った。今回1995年と2005年という10年間を表現することが求められた。撮影は時系列通りに行われたが、撮影の間は1週間しかなかった。

1995年の一馬は、これから神室町、堂島組という得体の知れないところに飛び込むという段階。そして2005年は、10年間刑務所に入っていて、そこから出てきた一馬の姿が描かれる。普通ならば、2005年の一馬の方が、風格が伴い、体も大きい……というのがセオリーだと思われる。

しかし竹内は「時系列的に体を大きくしていくというアプローチ方法ではなく、トレーナーと話し合って、1995年からそぎ落としていくという選択肢をとりました。映像を観ると分かりづらいかもしれませんが、1995年より2005年の方が体重は軽いんです。そして研ぎ澄まされている。あの鋭さは、一馬という人物をビジュアルからではなく、内面から作り上げていった結果なんです」と自信をのぞかせる。

劇中では背中に龍を背負う。竹内は「一馬が何であの龍を背負いたかったのか……という理由は100パーセント答えられるわけではないのですが、確実に背負ったことで気持ちは変わりました」と貴重な経験だったことを明かすと「一馬の背中の龍は目がないのですが、埋まっていないピースを探し求めているのかなとも思いました」と竹内なりの解釈を述べた。

竹内涼真撮影=黒木早紀子

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