コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、pixivコミックに掲載されている『拾った猫の愛し方』(株式会社リブレ)第1話を紹介する。作者の笹宮じろさんが、8月20日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、1.2万件を超える「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、笹宮じろさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
「職業柄面倒な事には慣れてるつもりだが、コレは初めてだ」という藤城。目の前の横断歩道に、男が倒れている。思わず「うわ…」と声を漏らしながら、弁護士の藤城はそれを見つめていた。
翌日、自室で鳴ったアラームに起こされた藤城。昨日横断歩道で倒れていたはずの男が、「おはよ」と言ってスマートフォンのアラームを止める。すると、「ぎゅるるるる」と藤城のお腹が鳴った。
「あ、朝ごはんあるよ」という男について行くと、目玉焼きとソーセージなどが盛られたプレートがテーブルの上に置かれている。
男が作った朝ごはんを食べていると、「いや、誰!?」と驚いた表情を見せる藤城。どうやら昨晩の出来事を覚えていないようで…。
この漫画を読んだ人たちからは、「なんだこの尊い2人は」「あまりにも顔が良い」「描写が上手すぎる」など、多くのコメントが寄せられている。
――『拾った猫の愛し方』第1話を創作したきっかけや理由があればお教えください。
私が初めて目にした、本物の弁護士さんが影響しているかもしれません。その方はテレビドラマで見るような、かっこよくてスマートな弁護士さん…ではなく、お客さんからの無理難題に振り回されている感じで。弁護士さんといえば、なんでもスマートにテキパキこなしてしまうイメージでしたが、こんなふうに人情味があって世話焼きな弁護士さんがいたら面白いな、と思い、BLあるあるの「人を拾う」シュチュエーションに落とし込みました。
――シオンに髪を切ってもらい、オシャレな雰囲気になった藤城が非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。
読後のすっきり感は全体的に意識しました。1話から少し重めの話が入っているので、それは最後までにすっきりして貰いたいな、と。1話で髪型が変わったのも、二人が出会ったことによる明確な変化の始まり…としても描いていますが、やっぱりかっこいい主人公として1話のラストを迎えたかったので、見た目をすっきりしてもらっていました(笑)。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
1話の「弁護士様だ」は、当初最終話の決め台詞にしたいと思っていたくらい気に入っています。弁護士としての自信やプライド、ちょっと傲慢なところも見えつつ、シオンを守るために使っている鉾であり盾であるセリフだと思っています。
――普段作品のストーリーはどのようなところから着想を得ているのでしょうか?
町で見かけた人やモノなど、面白いなと印象に残ったものから展開することが多いです。こういう行動をとる人は、他にどんなことをするのか?、これを作った人はどんな風に閃いたのか?という感じです。
――作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか?
キャラの細かい表情変化は、なるべく伝わるように頑張っています。細かすぎると伝わらないので、漫画的な記号化と繊細な表現の塩梅を探るのが今後の課題ですね…。
――今後の展望や目標をお教えください。
今作を通して初めて私のことを知った、もっと見たい、というお声をたくさん頂戴しております。そういう人達に今後も楽しんでもらえる作品をお届けしていきたいです。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
この作品が一番良かった、と言われないように、今後ももっと面白い作品を作っていけるよう頑張りますので、楽しみにしていてください!
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