そんな宏樹にある人物が声をかけた。喫茶店のマスター・浅岡忠行(北村一輝)だ。
アポイント先からの電話を切った直後に立ちくらみを起こした宏樹に、「逃げちゃえば」と浅岡。この場所からアポイント先までタクシーを使えばすぐだとし、「15分くらい逃げてもどうってことないと思うよ」と自分の店に誘った。
浅岡が淹れてくれたコーヒーでひと息つく宏樹。浅岡はその間に自分の体に知らない間にできていた“青たん(打ち身による青あざ)”の話を面白おかしく話した。そして、宏樹が心の中に“治らない青たん”をいっぱい作るタイプだと指摘した。
また、「逃げちゃえば」というひと言は、「サラリーマンに効くんだよね、客寄せの殺し文句」と笑ったが、宏樹にとってはかなり響くものだった。そこから宏樹は、つい最近の出勤時に過呼吸のような状態になって会社を初めてサボったこと、その夜に居酒屋で酒を飲んでも酔えずに帰宅したら妻が笑顔で機嫌をとろうとしたことが「笑われてるみたいで」と感じてしまったこと、その翌朝に「子どもつくろう」と言われたことを打ち明けた。
帰宅した後のことは、第1話にあった描写だ。この事情が分かったとき、ある一面だけでは人のことを推しはかることはできないのだと痛感。「たったコーヒー一杯、たった15分。人間ってさ、それだけで青たん1個くらい消せるんだぜ」。そう言われた宏樹がほんの少しでも口角を上げることができたことにホッとした。
後日、再び来店した宏樹は浅岡の言葉がきっかけである決意をする展開に。SNSには「浅岡さんみたいな人に救われるよね」「浅岡さんと宏樹さんとのシーンで涙とまらん」「浅岡さん良いキャラ」「浅岡さんのお店に行きたい」などの反響があった。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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