1997年の連続ドラマ開始以来、それまでの刑事ドラマとは一線を画し、警察内部の縦割り社会や上下関係、人間模様を描き、社会現象を巻き起こした「踊る」シリーズ。翌1998年公開の「踊る大捜査線 THE MOVIE」は、興行収入100億円超えの超大ヒットを記録。
2003年に公開された「踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」が打ち立てた記録は20年以上経った今でも、2位に50億円以上の差をつけたまま、邦画実写記録の圧倒的頂点に君臨している。
そして、劇中での“青島と室井の約束”から27年の時を経て、プロデュース・亀山千広、脚本・君塚良一、監督・本広克行が再集結、音楽には武部聡志が参加し、“踊るプロジェクト”が再始動。その発表以降、テレビドラマ「踊る大捜査線」シリーズのリピート放送や映画過去作の地上波一挙放送など、X(旧Twitter)では「踊る」関連ワードで何度もトレンドを席巻している。
「あの男との約束を果たせなかった―」
現場の捜査員のために粉骨し、警察の組織改革に挑むなど、波乱に満ちた警察人生を歩んできた室井慎次。27年前の“青島との約束”を果たせなかったことを悔やみ、警察を辞めて故郷・秋田に帰る。
そこには、かつての険しい表情とは異なり、自分たちが見過ごしてきた「事件の被害者家族・加害者家族を支援したい」という思いで、少年たちと一緒に穏やかに暮らす室井の姿があった。
そんな中、室井の前に突如現れた謎の少女。彼女の来訪とともに、他殺と思われる死体が発見される。そして明かされる、少女の名前は日向杏。シリーズ最悪の犯人と言われた猟奇殺人犯・日向真奈美(小泉今日子)の娘だという、衝撃の事実が判明する。
「とんでもない死体を見つけましたね、室井さん―」
東北の山奥には似つかわしくない、おびただしい数の警察官、ヘリや警察車両。「最悪」はなぜ室井慎次を狙うのか。穏やかな暮らしを求めた室井の周りに、再び、事件の影が迫りくる。