そんなある日、二宮がベッドでビールを2缶も飲んでいた事が発覚。それを見つけた歩は「治療する気がない人をいつまでも置いておくわけにはいかない。病気をほっておくとどうなるのかわかっているのか」と、厳しい口調で咎めた。すると、二宮は「どーでもいいよ、もう!」と叫び、「生きていても楽しい事ないし、頑張って苦しい治療をするとかバカみたい。病院なんだから死ぬ時は苦しまないようにしてくれるんでしょ」と逆ギレ。
歩が呆れていると、他の患者を看ていた吉子(安達祐実)がやって来て、「苦しまないように逝きたいんですよね。今すぐ始めましょう」と、何かの液体を注射器で点滴バックに入れようとした。「社内ニートぐらいで人生投げて甘えてる人間が死んでも誰も訴えませんから」と歩に言いながら手を止めない吉子に、二宮は「死にたくない!ごめんなさい!」と絶叫。塔子は「治療や手術に関しての暴言は他の患者が動揺するので、二度とないように」と冷静な口調で二宮に釘を刺して出て行った。
その後、落ち着きを取り戻した二宮は、病院の屋上で歩に会社や上司への愚痴を打ち明けた。そして、看護師の仕事は楽しいのか、どうして医者にならなかったのかと尋ねる二宮に、歩は、金銭的な問題で医者は諦めた事、コンプレックスもあったが、今は看護師になれて良かったと思っている事を告げた。その理由は、患者との距離が医師よりも近く、病気以外の部分も治せる事もあるから。そう答えた後、歩は「ムカつく上司からの受け売りですけど」と笑い、「楽しいですよ、ナース」と言った。静に対してムカつく事も多いが、歩が芯の部分では信用し尊敬もしているのが感じられた。
この2人のやり取りに、「歩ちゃんが“航一さん”に見えてきた」「今世でも、航一さんは“息子”の面倒を看るんだね」など、「虎に翼」での関係とオーバーラップさせるコメントがSNSに溢れていた。
結局、二宮は手術を受け、退院したら今の職場で頑張ってみる事にした。「前向きになってくれて良かった」と患者の病気以外の事を気にするようになった歩を、静は「ナースとして、ほんのちょっとだけ成長したようですね」と褒めるのだった。このドラマは、歩の成長物語でもあるのだ。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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