【連載】大炎上した動画が公開された後に決断した“あること”/onodela「アナーキーアイドル」#3 ステージに乱入してアイドルを脱退した直後の話

2024/11/20 19:00 配信

アイドル 連載


続いて、これからのソロ活動はなにしよう、と悩み始めた。歌もダンスも上手くなく、ファンサービスも至って普通。高校時代にバンドのドラマーはやっていたが、それを本業にできるレベルなのか……。たしかに一時期「この子ロックだぜ」とTwitterで評価され、ロック系バンドのメンバーに勧誘していただき、すごくいいチャンスとは思ったが、バンドで演奏している今の自分を想像できなかった。

あとは、もう一つソロで活動しなければならない理由があった。それは数ヶ月後に渡米する可能性があり、グループ加入だとまた、活動休止や卒業で他人様に迷惑かけてしまうこと。実はアイドルになる数ヶ月前に、大学を経由してアメリカへの留学を申し込んだ。大学生活、インターン、アイドルデビューの準備で充実していた日々だったが、留学の宣伝広告を見た時に「もっと広い世界を見てみたい」という直感が電流のように脳裏に流れた。候補者として選ばれるかわからないが、もしアイドルとしてブレイクできなかったら、別方向からステップアップをしてみようと画策していた。それまではアイドル活動を全力投球してみるつもりだった。

悩んだ末、最先端の流行を追いつつ、グループに合わせてキャラ作りをしたり、特典会のような有料なファンサービスがなく、自分にとってプレッシャーが少なさそうなDJに挑戦しようと思った。その中でも、個性のある衣装とかわいい曲でアイドルの現場を盛り上げるようなアイドルDJならば、長年アイドルソングを研究していた知恵を発揮でき、不得意なダンスパフォーマンスを避けられる。

全くDJとしての経験がないが、アイドル脱退宣言がバズっただけであって、「DJやりまーす」とTwitterで公言したらすぐ出演オファーが何件かきた。いい決断をしたのか、自分の力以上の運に助けられて、このスタートもまさにその象徴だった。自分でも不思議だった。

一番はじめの出演が3週間後に迫っていた。六本木にあるcubeというクラブ兼ライブハウスでDJデビューすることになったのだ。すぐに対策として、大学でDJをやっている友達に教えてもらい、六本木にあるDJスクールにも通い始めた。