タレントで女優のまるぴが、2024年9月11日~16日に東京ドームシティ シアターGで行われた舞台『戦隊大失格ザ・ショー』において、錫切夢子役を務めた。原作は春場ねぎによるコミックス「戦隊大失格」(講談社)で、アニメ化もされた人気作品。初舞台で物語のキーマンを演じたまるぴが、舞台の振り返りや芝居のお仕事について語ってくれた。
ーー『戦隊大失格ザ・ショー』がまるぴさんの初舞台作品となりました。どのような反響がありましたか?
私には元々舞台や演劇の界隈のファンの方がいなかったんですけど、そういった層の方々に認知していただけたのが一番大きいですね。「他の舞台でも見たい」「もう一度“錫切夢子”の役を演じてほしい」という声をファンの方からいただけて嬉しかったです!演出家やキャストの皆さんに“演技を続けてほしい”って言っていただきましたし、これまで他の仕事でご一緒させていただいた方も新たな一面を見ていただいて、、想像以上に沢山の方に褒めていただけて自信が付きました。
ーー沢山の方々に褒めていただいたんですね。
そうです(笑)。舞台っていうエンタメを私自身これまであまり観てこなかったんですけど、今回の経験を経て舞台って面白いなって思いました。直接観劇できるっていうのが特殊で他にはないですし、生の声をいただける舞台というシステムは私に合っていると思いましたし、好きですね。初舞台ってことを言い訳にしたくなくてがむしゃらにやっていたんですけど、その努力を認めてもらえたのが何よりも良かったです。
ーーそんな初舞台が決まった時の気持ちはどうでしたか?
元々原作の『戦隊大失格』を知っていて、錫切夢子が主役級のキーパーソンであることも知っていたので「本当に私へのオファーなの!?」って思いました(笑)。私はおしゃべりで元気なタイプで、夢子のイメージとリンクしてなかったですし、初舞台だし…正直な話、プレッシャーが凄すぎて「私には出来ないんじゃないか」と思いました。大事な役だからこそ、初舞台の私が演じていい役ではないとマイナス思考になっちゃいました。でも稽古に取り組む中で、一人でやるわけじゃないんだなっていうのはすごく感じました。演じていくと夢子に感情移入できる部分も結構あったので、そこを見越してキャスティングしてくださったのかなと後から思いました。
ーー最初は不安だったとのことですが、どの段階で自信が付いてきたのでしょうか?
ここで明確にっていうのはないんですけど、キャストの方やスタッフの方が皆仲が良くて、相談しやすかったんですよね。全員が良い作品にしたいという想いで努力してたし、自分だけじゃなくて他の人の演技も見て、お互いに褒めたりアドバイスしたりしていました。周りの人たちに感化されて自分もそうしたいなって思うようになった時から、不安がなくなって没頭できるようになり、自信が付いていったんだと思います。
これまで一つのことに注力できることがなかったんですけど、今回の舞台ではがっつり稽古に取り組むことができたんですよね。それが私にとって部活みたいな感じで、ずっとそのことを考えていられる環境が完璧主義な自分にとってすごく良かったんです。難しいからこそやってみようって気持ちが初めて湧いた仕事かもしれないです。
ーー稽古に取り組む中で、壁に突き当たることはありましたか?
ありましたね。夢子は大きい声を出す感じではなくて、ウィスパーボイスの冷静沈着なキャラクターなんですけど、舞台上からお客さんに声を届けるのが難しかったです。どうやってウィスパーボイスを客席に届けるのかずっと模索してましたし、本番前日まで完成していなかったですね。
ーー皆で協力して舞台を作っていく過程はいかがでしたか?
楽しかったです。そういうのが一番好きなんですよ。自分のために何かを頑張るのがあまり得意なタイプではなくて、どちらかと言うと苦手なんです。今回の舞台についても、ファンの方が喜んでくれるからとか、スタッフや演者の方が良い作品にしようとしてるからっていう理由でモチベーションが湧くんですよね。皆のためになるからこそ頑張れたし、その頑張りをちゃんと言葉にして褒めてもらえたので、皆さんのおかげで楽しく取り組むことができたのかなと思います。
ーー初舞台ということで、最初はアウェイ感を感じましたか?
すごく感じました(笑)。最初は完全アウェイだなと思っていましたね。でもアウェイだからこそ私がアウェイの顔をしていると、周りの方々も気を遣っちゃうだろうなと容易に想像できたので、私の方から積極的にコミュニケーションを取るように心がけました。その部分に関しては、OL時代のコミュニケーション能力を活かすことができたのかもしれないです(笑)。
ーー今回の舞台ではまるぴさん演じる「ショーのお姉さん」の一人芝居から始まって、3人の役を演じられましたね。
いわゆる2.5次元って呼ばれる舞台は原作やアニメがあるので、原作のファンの方が悲しまないかっていうのが念頭にあるんですよ。一から作るものではないからこそ、すごく責任感があるなと思いました。今回は3次元に寄せた舞台を作るということだったので、原作やアニメをトレースするだけじゃ足りなくて、課題が多くハードルが高い舞台だったなと思います。あとはアニメの夢子役の声優さんが観に来てくださっていて、お話をさせていただいたんですよ。その時にすごく褒めてもらえて、自分の努力が伝わることってこんなに嬉しんだなって思いました。そのおかげで千秋楽までやり切ることができましたね。
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