上司にはしたくない!? 完璧主義のマイクロマネジメント監督 “鬼才”キューブリック傑作映画5選

2024/11/05 10:00 配信

映画 コラム

「アイズ ワイド シャット」より(C) Warner Bros. Entertainment Inc.

R指定の、官能サスペンス「アイズ ワイド シャット」&暴力SF「時計じかけのオレンジ」


11月20日(水)夜11時40分と11月30日(土)深夜1時15分からは当時夫婦だったトム・クルーズニコール・キッドマン共演「アイズ ワイド シャット」(1999年)を、11月25日(月)深夜0時からは青年の異常な残忍さを描く「時計じかけのオレンジ」(1971年)を放送する。

アイズ ワイド シャット」はキューブリック監督が最後に挑んだ作品でもあり、性的な精神世界への旅立ちと緊迫のサスペンスを融合させた官能サスペンスとなっている。物語の主人公は、ニューヨークで何不自由なく生活する医師のビル(トム・クルーズ)。ある日、ビルはアリス(ニコール・キッドマン)から衝撃的な告白を聞いたことで“性の妄想”にとりつかれ、友人に誘われた秘密のパーティに潜入する――。優雅な雰囲気と卓越した色彩、そして息を飲むような美しい映像は彼の遺作にふさわしいものと言えるだろう。

そして「時計じかけのオレンジ」は、キューブリック監督作品の中でもカルト的な人気を誇る傑作SF。舞台は荒廃した近未来のロンドン。悪友と暴虐の限りをつくしていたアレックス(マルコム・マクダウェル)は、ある時手下の裏切りで警察に捕まり、凶悪犯罪者の人格を改造する治療を受けることになる――。ティーン・エイジャーの暴力を風刺的に描き、当時模倣犯罪が起きたり、キューブリックに殺人予告が届いたりしたことで、英国ではキューブリックの意向により死後1999年まで映画館での上映が禁止になったほどだ。

異色のテーマを扱い、斬新な撮影技法によって見る者を魅了するキューブリック監督作品。印象深い映像やストーリーに触れることで、彼の“鬼才”ぶりに改めて気づかされるかもしれない。

「時計じかけのオレンジ」より(C) Warner Bros. Entertainment Inc.