必然のヒットを遂げた「斗羅大陸~7つの光と武魂の謎~」ハリウッドとは異なる“中国ファンタジードラマ”進化の道

2024/10/30 08:30 配信

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「斗羅大陸~7つの光と武魂の謎~」※提供画像

「陳情令」のシャオ・ジャン主演のアクション・ファンタジードラマ「斗羅大陸~7つの光と武魂の謎~」をご存知だろうか。中国でネット小説の王と称される「唐家三少」による超人気小説を原作として、豪華共演陣と一流スタッフが結集して映像化した大作だ。2021年に放送されてから数年経過した現在でも高い人気を誇る作品で、いくどとなくアンコール放送もおこなわれている。そんな同作が、10月23日より「斗羅大陸~7つの光と武魂の謎~ コンパクトBlu-ray BOX」として発売を開始。いま飛ぶ鳥を落とす勢いで広がり続けている中国ドラマの名作「斗羅大陸」の魅力を振り返る。

「斗羅大陸~7つの光と武魂の謎~」の見どころとは


唐家三少による超人気小説をドラマ化した「斗羅大陸~7つの光と武魂の謎~」。小説の単行本発行部数は1000万セットを超え、コミック、ゲーム、アニメ化もされた人気作品の映像化で話題を呼んだ大作だ。

聖魂村で鍛冶職人の父と暮らす唐三(タン・サン)は、亡き母に代わって酒浸りの父の世話をしながら鍛冶と秘伝書『玄天宝録(げんてんほうろく)』の修練に励む日々を送っていた。そんなある日、森で巨大な毒グモに襲われ間一髪のところを見知らぬ男に救われる。

狼男に変身できるその人物は武魂殿(ぶこんでん)の素雲涛(スー・ユンタオ)と名乗り、唐三に「人は皆、武魂を持っている」ということ、唐三を襲った毒グモは“魂獣(こんじゅう)”で倒すとその力を得られること、自分は“魂師(こんし)”であることなどを教えてくれた。

唐三はその後、初等魂師学苑に入学するために、父親の元を離れることに。しかし旅立つ唐三に対して父は武魂殿に加わることを禁じ、『玄天宝録』の存在を秘すよう釘を刺す…。

意味深な父の教えを守ったまま入学した学苑には、一癖ある面々が待ち受けていた。唐三は城主の息子に敵視されたり、ケンカが好きなウサギ武魂の娘・小舞(シャオウー)、大師とともに事件を起こしてしまい、追われる身となってしまうのだった。

同作の魅力は、なんといってもバトルシーンにある。登場人物はそれぞれ違う能力を持っており、戦闘時は個人の特性を活かして闘いに臨む。CGと舞台セットを惜しみなく使い、ド派手で爽快感があるバトルはさながら漫画だ。

またCGはカッコいい方面だけではなく、ヒロインを飾り立てる華にもなっている。たとえば“ウサギ武魂”を持つ小舞は戦闘時、頭にぴょこんとうさ耳が飛び出すのだ。天真爛漫な小舞の性格も相まって、非常にキュートに仕上がっている。

ゲーム世界のようにライトな設定のため、特に若い世代には馴染みやすい世界観もグッド。スカッと爽快な展開をストレスなく楽しめる作品なのだ。

「斗羅大陸」がヒットした“必然”


主役“唐三”を演じるのは、アジアのトップ俳優シャオ・ジャン。中国のアイドルグループ「X玖少年團」に所属し、2019年にBL武侠小説をドラマ化した「陳情令」のメガヒットは良く知られているだろう。中国の俳優人気ランキングでは軒並み1位を獲得し、各国のファンミーティングには数万人単位でファンが押し寄せるという人気を誇る。

中国紙・北京日報などを発行する北京日報報業集団が主催する「影視榜様2021年度総評」(映画・テレビロールモデル2021年年間総評)でも「人気男優賞」を受賞するのみならず、韓国をはじめアジアのエンタメ情報サイト「K-board」でもシャオ・ジャンが特集されるなど話題をさらっていた。

さらにガールズグループ“宇宙少女”“ロケットガールズ101”のソニ(ウー・シュエンイー)、台湾のボーイズグループ“飛輪海”(フェイルンハイ)のケルビン(チェン・イールー)、イケメン俳優ウェン・シェンハオ、香港映画界のケニー・ビーなど、アイドルも実力派俳優も大集結。右を見ても左を見ても美男美女という顔ぶれがそろっているというわけだ。

ただ「斗羅大陸」が注目される理由は、俳優陣の豪華さだけではない。高い技術力と豊富な経験を持つスタッフによる、クオリティの高い映像表現にも注目したい。

映画「捜査官 X」で台湾金馬奨とアジア・フィルム・アワードの最優秀美術賞を受賞したスン・リーによるプロダクションデザイン、衣装は「ミーユエ -王朝を照らす月-」のチェン・トンシュン、VFXは「海上牧雲記~3つの予言と王朝の謎」「長安二十四時」でドラマの常識を遥かに超える壮大な世界観を創造したジュアン・イェンとART+が担当。俳優陣だけでなく、スタッフ勢までアベンジャーズ級なのだ。

大人気作品を原作として、最強のスタッフが用意した舞台で、最高の俳優陣が力を尽くす。「斗羅大陸」はヒットするべくしてヒットした、といっても過言ではないタイトルといえるだろう。