必然のヒットを遂げた「斗羅大陸～7つの光と武魂の謎～」ハリウッドとは異なる“中国ファンタジードラマ”進化の道

ハリウッドとは違う進化を遂げた「中国ファンタジードラマ」の世界

昨今の中国ドラマは多岐にわたるジャンルで人気を得ているが、特にファンタジー要素の強いドラマでは頭一つ抜けたクオリティがそろっている。たとえば「恋した彼女は宇宙人」はその好例で、CGこそ控えめながら「宇宙からやってきたお騒がせヒロインとツンデレ総裁のラブロマンス」というファンタジード真ん中な設定が魅力だ。

よくあるファンタジーな設定だけ置いてあるドラマではなく、“宇宙人と地球人”という種族間ギャップをはじめとした障害だらけの恋、記憶喪失、兄弟との三角関係、恋のライバルが仕掛ける罠、フェロモン爆発のシャワーシーン、ツンからデレに変わる瞬間…などなど、面白い要素をぎちぎちに詰め込んだビックリ箱のような作品となっている。

そしてイケメン社長の方冷(ファン・ロン)役に台湾とタイのハーフでK-POPグループにも参加していたイケメン俳優シュー・ジーシェンを、その相手役には「駆け抜けろ1996」で鮮烈なデビューを果たしたワン・ペンを登用。あらゆる業界で予算縮小が叫ばれるなか、登り調子な中国ドラマ界ならではの惜しみないキャスティングがドラマを名作に引き上げるのだ。

なお両タイトルとも、10月23日から日本でコンパクトDVD-BOXが販売開始されている。シリアス方面の「斗羅大陸」とコメディテイストの「恋した彼女は宇宙人」、どちらも中国ドラマの進化を強く感じられるクオリティ。ハリウッドの表現とはまた違う方向で、今後も伸びていきそうな中国のファンタジードラマ界に期待したい。