コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、FLOS COMICにて2024年10月から連載がスタートした晴智さんの『とんがり耳の7つの恋』より第1話『その吸血鬼、頻尿につき』をピックアップ。
2024年10月3日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、5万件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、晴智さんにインタビューを行い、創作のきっかけや今回の反響などについて語ってもらった。
「吸血鬼(われわれ)は頻尿だ」
吸血族・オルロック家のぼっちゃん・アルルカードは、昔馴染みで今日からメイドとして仕えることになったチトセに突然、衝撃の言葉を口にした。どうやら幼い頃に起こった“あるハプニング”を弁明するための発言だったようだが、チトセには何のことか心当たりがまったくなかったため、アルルカードも「覚えてないならいい」とその場を流した。
そして、チトセが屋敷に来て1ヶ月後、引きこもりで10年も外出していないアルルカードに対し「一緒にお散歩したい」と訴え、二人で“頻尿治療”に取り組むことを決意する。そして、ピクニックへ行くことを目指し、“1日のトイレ回数、7回以下”を目標に治療を始めた。尿意を我慢したり膀胱周りの筋肉を鍛えたり、頻尿の原因である血(水分)の摂取量を抑えるため離乳食ならぬ“離血食”にも挑戦した。そして半年後、見事に目標の“トイレ回数7回”を達成したのだ。
いよいよ念願の二人でピクニック。頻尿の吸血鬼・アルルカードにとって夢にも思わなかった出来事だ。二人で穏やかな時間を過ごしていると、チトセは昔にも一緒にピクニックへ来たことを思い出す。それは、アルルカードがチトセに思い出してほしくない記憶だったのだが――。
本作には「吸血鬼は頻尿…今日一番の学び…」「インパクトあり過ぎで笑う」など、ストーリーの始まりに衝撃を覚えた読者からのコメントが寄せられ、「素敵なお話」「締めの言葉も良き」などアルルカードとチトセのやりとりに心を温めている感想も見受けられた。
チトセが忘れていた子供の頃の記憶とは何だったのか、そしてピクニックは無事成功に終わったのか…この続きは、ぜひ本作を読んで確かめてみてほしい。
――『とんがり耳の7つの恋』を創作したきっかけや理由などをお教えください。
現在の担当さんより、読切作品を何本か描きませんか?とお誘い頂いたのがきっかけです。
だったら「すべてが繋がっている世界観で連作で異世界恋愛オムニバスを描きたいです!」とお話したら快くOK頂きました。
――X(旧Twitter)に投稿された第1話『その吸血鬼、頻尿につき』の中で、晴智さんが特にお気に入りのシーンやセリフなどを理由とあわせてお教えください。
やっぱり1P目の「吸血鬼は頻尿だ」のシーンです。
美しい夜の眷属のイメージがある吸血鬼ですが、実際にいる吸血蝙蝠の生態を調べた時、ものすごい量の血を飲むことが分かって「吸血鬼、頻尿じゃん…」となって作り始めたお話だったので…!
あとは坊ちゃんのお腹を擦るシーンも冷静に見るとなにやってんだ感があって好きです。
――第1話に登場する吸血鬼は、種族としてのマイナス面(生きづらさ)を描いていますが、一方で大変人気のある種族だと思います。晴智さんが感じる吸血鬼の魅力をお教えいただけますでしょうか。
「吸血鬼」って魅力の塊ですよね。魅力的過ぎてそこからどう崩せるのかに自分は生き甲斐を感じてしまいます。
美しい吸血鬼の中でぼやけた顔で生まれてしまったらどうなるんだろうとか、どうしても日焼けしたい吸血鬼とか。
――X(旧Twitter)の投稿には、多くの“いいね”やコメントが寄せられていました。今回の反響をどのように感じていらっしゃいますか。
今回のお話は描いてから公開するまでかなり時間差があり、不安でいっぱいだったので共感してくださる声や、ご感想がほんっっっとうに嬉しかったです。
――今回は連載作品『とんがり耳の7つの恋』の第1話にあたるお話ですが、2話目以降の注目してほしいポイントをお教えください。
この世界ならではの常識や格言が出てくるのも担当さんとは面白ポイントだね~と話していたので、そこですかね?
最終話には、1話から出てきた人達がもう一度出てくるのでそれも楽しみにしてほしいです!
――最後に、読者やファンの方へメッセージをお願いします。
繰り返しになりますが、温かいご感想ありがとうございました。引き続き『とんがり耳の7つの恋』お楽しみいただけたら幸いです!
単行本は11月14日に上下巻で発売予定です。人魚姫の癖の強いお話82ページ描きおろしたので、単行本もよろしくお願いします!
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)