北大路欣也“明智小五郎”が“歳を取る不思議な押絵”の謎を解明する＜江戸川乱歩の美女シリーズ「神戸六甲幻の美女」＞

ファンタジー要素を取り入れた「神戸六甲まぼろしの美女」見どころ

江戸川乱歩の人気作『押絵と旅する男』をドラマ化した本作。これまで明智役を演じていた天知さんに代わり、北大路欣也が演じた5作目の作品となっている。

そんな本作では、事件に関するトリックやヒントにファンタジー要素が含まれていることが見どころ。いつもの「美女シリーズ」では、精巧に作りこまれた科学的なトリックが用いられ、明智が論理的に謎を解いていくのが定石。しかし本作では、“押絵の中の人物が変化する”という非科学的な現象が事件の解決に大きく関わっており、シリーズの中では異色とも言える作風だ。

ちなみに原作は推理モノというより、ファンタジー要素が色濃い印象。そこで、ドラマ化にあたってシリーズに馴染むようサスペンス要素がしっかりと盛り込まれ、通常の「美女シリーズ」と同じく明智による骨太な推理シーンもしっかりと描かれている。サスペンスドラマとして十分見ごたえのある構成や演出、そして明智役の北大路をはじめ、キャスト陣の緊張感みなぎる熱演にも注目だ。