10月24日に放送された野球トークバラエティ「ダグアウト!!!」(毎週木曜夜10:00-11:00、BSJapanext<263ch>)。今回は“大ちゃんフィーバー”と言われるほどの人気を博したヤクルトスワローズ・横浜ベイスターズの荒木大輔と、埼玉西武ライオンズ黄金時代をけん引した伊東勤がゲストだ。MCの真中満と現役・監督時代がかぶっていることもあり、当時の裏話が盛り上がりを見せた。
オープニングトークでは、まず真中と伊東の接点が話にのぼる。2人はそれぞれヤクルトと千葉ロッテマリーンズの監督をしていたのだが、その時期は真中が2015年~2017年、伊東が2013年~2017年とぴったりかぶっている。
ただ印象に残っているのは2017年。両チームとも厳しい戦績で、「とりあえず最後まで頑張ろうな」とお互いに励ましあったほどだとか。特に真中はヤクルト史上最悪レベルの96敗を喫してしまい、気分がひどく落ち込んでしまっていたそうだ。しかし家に帰ってパ・リーグを見たとき、「ロッテが負けてると、少し安心…」とよほど追い詰められていた当時の心情を暴露した。
「より所じゃないですけど、もう逃げ道がないんですよ!」と監督業の苦しさを明かす真中。ただそうしたなかでも、休養だけは取らないという方向で話をしたという。「それだけはやめようってたぶん、おそらく言ったと思うんですよ。最後まで全うしようと。どういう結果になろうとね」真中にアドバイスした言葉を振り返る伊東に、真中は改めて2017年シーズンラストの苦しい時期をどう乗り越えたのかと聞く。
伊東は「あれだけ負ければ、シーズン途中くらいに覚悟してた」と、監督としては同年が最後になることを覚悟していたそうだ。しかしそれほど厳しい成績であっても、応援してくれるファンはいる。ファンのためにも頑張ろうと自分を奮い立たせた伊東は、その気持ちをライトスタンドにいるファンたちに毎試合伝えるのを忘れなかったと明かす。
もちろん自分では行けないものの、球団職員へ伝言を頼んだ伊東。「選手たちは本当に一試合一試合、真剣にやってるんで、最後まで申し訳ないけど応援してください」その熱意が効いたのか、最悪のシーズン中でもロッテファンからの声援は途切れなかった。極限に苦しい時期だからこそ、それでも応援してくれるロッテファンの温かさが記憶に残っているのだろう。
真中と伊東が明かした監督時代の裏話に、MC・平井理央も「心の中で繋がってたっていうか、意外な絆が…」と思わずほっこりしていた。
番組の人気コーナー「ダグアウト!!!球界相関図」では、ゲストの人間関係を深掘りしていく企画。キーワードに併せて思いつく人名を挙げていき、相関図を作っていく。
「天才だと思った選手」を荒木と伊東に尋ねたところ、伊東は「誰もがおそらくそう思うだろうと思う選手…イチロー選手ですよね」と切り出した。「イチローをどうやって抑えようかっていつも対策を練るんですけど、最後まで答えは出なかったです」メジャーでもシーズン最多安打、史上唯一の10年連続200安打という記録を打ち立てたイチロー。現役時代がかぶっていた2人には遥かに高い壁と映ったようだ。
“ここに投げれば”という弱点がなく、勝敗は本人のコンディションにかかっていたというほど手の付けられない選手だったイチロー。「セオリーが通用しなかったです」「ヒットだったらOKという感じでいつも攻めてましたね」と、諦めまで覗くほどの怪物選手だったという。
そしてそのイチローを抑えたのが、松坂大輔でもある。高卒1年目の松坂が5年連続首位打者だったイチローを討ち取った際の衝撃は、いまでも記憶に残っている。伊東はそのときのキャッチャーではなかったのだが、やはり記憶には強く残っているようす。
左打ちのバッターに外からのスライダーを打つ投手は少なかったのだが、松坂はそこをうまくついてイチローを抑えることに成功。ただそのスライダーも付け焼刃のものではなく、伊東いわく「下手すりゃベース1個分曲がる」ほど驚異の切れ味を誇っていたそうだ。
天才・イチローを抑えた松坂。歴史的な瞬間に立ち会った興奮は忘れられないと明かしつつ、「ただそのときのピッチャー、僕じゃなかったんですよ」と語る伊東のしょぼくれた顔でスタジオは笑いに包まれるのだった。
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