ーーおふたりの一番好きなキャラクターを教えてくだい。
田口:固定の推しは、プレミア上映会でも言った鵯州です。あの大柄で丸い体型……あのビジュアルが好きです(笑)。あと、意外と口調が強いんですよね、彼。そういうギャップも非常にいい。
村田:ホラー感とかわいさが同居している感じですよね。
田口:技術開発局のシーン自体は少ないので、出番があまりないのが残念です。隙あらば、ちょこちょこと画面の端とかに出していきたいな(笑)。
村田:僕は更木剣八です。剣八と卯ノ花による戦いの決着がつく第1クールの第10話でコンテを担当させていただいたのですが、ただひたすらに強さを追い求める彼の姿は、シンプルにかっこよかったです。最終的には、想い人のような相手であり、師匠ともいえる存在の卯ノ花を斬って、さらに高みに上がることもできたので。
ーー「千年血戦篇」問わず、「BLEACH」で好きなセリフやシーンはありますか?
田口:72巻の巻頭歌です。「言葉に姿があったなら暗闇に立つきみに届きはしないだろう」ってすごくないですか!“言葉に姿がないからこそ、闇の中でもきみに届くんだ”という、逆説的な感じがすごく好きなんです。いったいどういう経験をすれば、久保先生はこんなすごいフレーズが思い浮かぶんだろう、と思いますね。
村田:僕は一護がユーハバッハに言った「俺以外の誰かにできたとしても俺がやらずに逃げていい理由にはならねえんだよ!」(コミックス68巻618話)というセリフです。“一護ってこういう人”というのを端的に表していて、すごく印象に残りました。
ーー過去の2クールを経て、久保先生との関係や、やりとりの仕方などに変化はありましたか?
田口:距離感が近くなったというか、関係性は深まっていると思います。オリジナルシーンをご提案・ご相談するハードルも下がった気がします(笑)。とはいえもちろんそれに甘えることなく、アニメサイドみんなで練りに練ってから監修をご依頼しています!
村田:たしかに、ネームでお戻しいただけるときは、こちらのテンションも上がってしまいますよね!
田口:第1クール、第2クールを経て、“原作者”という立場から一段寄り添ってくださっているのかなと感じています。久保先生の中で、アニメ「BLEACH」をより良い作品にするために、より一層力添えしてくださっている印象です。
村田:我々“アニメ制作側の目線”で受け止めてくださっているという感覚がすごくあります。
ーー総監督、監督として、お互いに聞きたいこと・言いたいことはありますか?
田口:まだ終わったわけではないですが、監督をやってみてどうですか(笑)?
村田:「第2クールまで、本当によくやれていましたよね!」と言いたいです(笑)。田口さんは「BLEACH」以外の作品にも携わっていますし、特に第2クールのときは他作品の進行と重なる時期もありましたから。ほかのスタジオとやり取りしながら、さらにクオリティーを上げて制作できるなんて、本当にすごいことだと思います。僕は「BLEACH」だけに集中できる環境でやらせてもらっているのに、てんやわんやですから(笑)。
田口:これは本当に、村田さんをはじめスタッフの皆さんのおかげです。「自分の話数は自分で面倒を見るよ!」という、非常に優秀な方々がそろっていたからこそ可能でした。自分はポイントポイントで顔を出せば良かったので(笑)。
村田:では聞きたいこととして。今回、僕は初めて監督の座に就かせていただきましたが、監督を続けていく秘訣を教えていただきたいです(笑)。
田口:最初に設けるハードルは高めに設定することはあるかもしれません。「千年血戦篇」は、最初に「某作品に匹敵するクオリティーを目指すと約束してくれ!」とプロデューサーに伝えて制作がスタートしたんです。まずは目標を設定し、それを目指すことが何事にも重要だと思っているので。それができなかったときに、“じゃあ、どうやってクオリティーを上げるか?”とか“どういうスタッフを入れればいいのか?”ということを、きちんと制作サイドと話し合い、コミュニケーションを取ることが大切だと思っています。「できないからダメじゃん」になるのは絶対に避ける。
ーー最後に「BLEACH」の見所と、ファンに向けてのメッセージをお願いします。
田口:スタッフ一同、第3クールの「相剋譚」も非常に頑張って手を動かし、情熱の限りの絵を作っております。今後の放送もぜひご期待ください!
村田:第3クールは、これまで以上にアニメのオリジナルシーンが増えています。第30話の雨竜がまとった翼の霊子のように、原作にないシーンが随所に盛り込まれています。それらがオリジナルとしてどう描かれていて、どう原作の物語とつながっているのか。久保先生監修の下で、原作の物語にどのように戻っていくのか。ぜひ期待して見ていただければと思います。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)