黄金の80年代アイドルたちが残した“超貴重タイトル” 伝説の始まりだった輝ける名作アイドル映画たち

2024/11/01 16:00 配信

映画 コラム

本田美奈子.による“本物の表現”が味わえる奇跡の映画「パッセンジャー」


2005年にこの世を去った伝説のアイドル本田美奈子.さん。彼女の映画デビュー作にして唯一の出演作となったのが1987年の映画「パッセンジャー 過ぎ去りし日々」だった。

共演は三田村邦彦宇梶剛士岩城滉一といった実力派の面々。本田さんは映画と同名の主題歌を歌うのみならず、「孤独なハリケーン」といった楽曲を劇中で披露している。

本田さんが演じたロックシンガー・立木美奈は、三田村演じるバイクレーサー・良介の妹。美奈はある日、不良に絡まれていたところを岩下(宇梶)という青年に助けられる。やがて岩下と急接近した美奈だったが、バイクレーサーとして伸び悩む兄の影がいつも胸の奥にちらついていた。兄は幼い美奈の面倒を見るためレースに専念できず、いままさに進退をかけた勝負に挑まねばならない。

しかし、兄が挑む相手こそ、自分が出会ったチャンピオンレーサー・岩下。板挟みに苦しむ美奈だったが、さらなる苦難が彼女たちきょうだいを見舞う。

表現力と言う意味では、すでに一人前以上の力を身につけていた本田さん。デビュー作とは思えぬ、気負いのない自然な立ち振る舞いが印象的だ。注目すべきは「世界的ロックシンガーを目指していた人気歌手」という役柄に驚異的な説得力を持たせる、飛びぬけた歌唱力。以後はミュージカルの世界で華々しい活躍を見せる本田さんだが、その片鱗はこのときから見えていたわけだ。

兄を思う心、自身の夢に邁進したい気持ち、岩下への恋慕…そんな混沌とした心象を歌に乗せる本田さん。“本物の表現”というと軽く聞こえるが、まさにその言葉が同作のラストシーンには相応しい。

なおCS放送「衛星劇場」では、11月に「スクリーンで輝いた80sアイドル映画まつり 第2弾」と題して上記2作を放送。ほかにも菊池桃子主演「アイドルを探せ」、生稲晃子出演「億万長者になった男。」、宇佐美ゆかり主演「V.マドンナ大戦争」、林美和加藤香子出演「まんだら屋の良太」など往年のアイドルたちが輝いた名作を放送する。

さらに同特集に関連して、11月のLIVEスペシャルでは本田さんの貴重な「本田美奈子.ライブ ON AIR EAST 完全版」がテレビ初放送。伝説として語り継がれるアイドルの魂を響かせるライブを、貴重な映画と併せて楽しむことができる。

「V.マドンナ大戦争」(C)T.O.K.Enterprise