そんな中、宏樹は頼まれていた子どもの名前を書いた手帳を美羽に渡した。手帳には、調べた人気の名前ランキングや名付けの傾向などと共に、候補の名前がびっしりと書き込まれていた。そして、そこから宏樹が第一候補にしていたのは「栞(しおり)」という名前だった。
母子手帳に挟んであった美羽が作った刺繍入りのしおりを見て思い付いたのだという。さらに、「栞」には「道しるべ」という意味があり、「俺はこの子に何もしてあげられないけど、道に迷わず進んでほしいなって」という宏樹の願いが込められていた。
とても素敵な名前だった。ただ、宏樹が見た“しおり”は、美羽と冬月の思い出のもの。冬月は子どもの本当の父親だ。このことから視聴者が騒然とし、SNSには「名前の由来素敵なのに」「忘れたくても忘れられない罪が名前になってしまった」「奇しくも冬月くんが絡んだ名前」「エグすぎる」といった投稿が。
宏樹の優しい変化はまだ続いた。美羽は内心「宏樹が優しくなればなるほど、胸に刺さったとげが小さくうずいていく。これがきっと消えることがない、私の罪悪感…」と思うのだったが、「宏樹なんか変わったね」と思わず口に出てしまう。
すると宏樹はこれまでのモラハラを謝り、さらに「栞」という名前には生まれたばかりのときに自身が抱いた思いを忘れたくなく、「この子が俺の“道しるべ”になってくれた」ことも含まれていると打ち明けた。
そして「あの約束って、破ってもいいかな?父親らしいことは何もしないって言ったけど、俺を栞の父親にしてくれないか」と続けた。
第1話ではほとんどの視聴者から反感を買っていた宏樹だが、第2話で事情が分かり、第3話で好意的なものにさらに大きく変化した。今の姿は以前の宏樹に戻ったといえるのかもしれない。そんな姿に涙腺を刺激された視聴者も多かった。しかし「宏樹が不憫すぎてこっちまで罪悪感背負っている気分…」「いいパパになっていくほど苦しすぎるな」といった声も上がっており、今後の展開に心配が広がっている。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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