綾瀬はるか主演による映画「ルート29」(11月8日[金]公開)が、現在開催中の「第37回東京国際映画祭」ガラ・セレクション部門に正式選出。11月1日の上映前には綾瀬、共演の大沢一菜、森井勇佑監督が舞台あいさつを行った。
本作は、監督デビュー作、映画「こちらあみ子」(2022年)が高く評価された森井監督によるロードムービー。詩人・中尾太一の「ルート29、解放」からインスピレーションを受けた森井監督が、映画の舞台ともなった姫路から鳥取を結ぶ一本道の国道29号線を約1カ月間旅をして脚本を完成させた。
他者とコミュニケーションを取ることをあまりしない主人公・のり子が、風変わりな女の子・ハルを連れて旅に出た先でのさまざまな出会い、そこで次第に深まるハルとの絆によって、空っぽだった心に喜びや悲しみの感情が満ちていく時間をつづっていく。
主人公・のり子役は綾瀬、旅の相棒・ハル役は「こちらあみ子」で強烈なデビューを飾り、「第36回高崎映画祭」最優秀新人俳優賞を受賞した大沢。さらに、高良健吾、河井青葉、市川実日子ら実力派キャストも集結している。
満員御礼で迎えたこの日、意外にも「東京国際映画祭」初参加という綾瀬は先日のレッドカーペットを振り返り「緊張しました。お客さんやマスコミの方々の距離が近かったので」と照れつつ、「活気もすごくて、これは本当に映画のお祭りだと感じました」と感激。大沢は「初めてなので緊張しましたが、楽しかったです」と目をキラキラさせて話す。
森井監督は、本作製作の経緯に触れて「『こちらあみ子』の次の企画を考えているときに、プロデューサーから渡されたのが中尾太一さんの『ルート29、解放』だった。読んでみて直感的に、これは映画にできると思った」と回想。構成については「のり子とハル、二人の旅なので、二人を均等に描くバランスに気を配った」と明かす。
綾瀬は、自身が演じたのり子について「他人と積極的にコミュニケーションを取らず、どこにも属さず、自分の中に宇宙を持っている女性。それはマイペースともいえるかもしれないけれど、自分というものがある人だとも思った」と分析。
また、撮影の思い出を聞かれ「森が多くて、道にカエルがいたりして…。いろいろな昆虫もたくさんいて、それを一菜ちゃんと一緒に採ったりしながら。そこから一菜ちゃんと仲良くなった」と振り返った。