漫画やアニメ、ゲームといったコンテンツと並び、今や日本が誇る文化として、海外でも広く親しまれているコスプレ。9月26日~29日にかけて千葉・幕張メッセで開催された、世界最大規模のゲーム見本市「東京ゲームショウ2024(TGS2024)」でも、出展タイトルを盛り上げる要素としてコスプレを導入。屋外にはコスプレ撮影エリアも設けられ、こちらも好評を博していた。
4日間で27万4739人が来場。過去最多となる44の国・地域から985の企業・団体が出展するなど、2023年を上回る盛り上がりを見せた「TGS2024」。そんな同イベントの数ある見どころの中から、会場を彩ったコスプレイヤーにクローズアップ。新旧さまざまなゲーム作品のキャラクターに扮(ふん)したレイヤーたちに「コスプレに対するこだわり」などを話してもらった。
こちらのコスプレでこだわったのは衣装のサイズ感です。改めて全身の採寸を行い、40カ所以上のサイズを測り直して。そのかいあって、体にぴったりフィットする仕上がりになりました。リリスの妖艶な雰囲気を表現するために、光沢感のある生地を選んだのもこだわったポイントです。また、腰の羽はフレキシブルな設計で、広げたり閉じたりとかなり自由に動かせます。他にもおくれ毛の跳ね具合や、幼さと妖艶さを意識したメークなど、随所にこだわりが詰まっているので、そうした点にも注目してもらえるとうれしいです。
今回は、A2(ヨルハA型二号)の髪形の再現にこだわりました。軽く外に跳ねるようにカットしたり、スプレーで束感を出したりして、自然な感じに仕上げました。
衣装は既製品ですが、接着芯を貼って縫い直したり、装飾をゴージャスなものに付け替えたりと、見栄えをよくするためにいろいろアレンジしました。ウイッグにも“ふかし”を入れてボリュームを増しているので、ピーチ姫らしいシルエットを再現できたんじゃないかなと思っています。
今回のコスプレでこだわったポイントはメークです。デイジーは長く伸びた2本のまつ毛が目立つキャラなので、どうやってそれを再現するか考えて。いろいろ試した結果、つけまつ毛を2本だけ残して、あとは短くするという方法を思いつきました。王冠やブローチは造形が得意な知り合いに作ってもらったもので、これらも含めて仕上がりには満足しています。
今回のコスプレで特にこだわったのは小道具の造形です。王冠、ブローチ、チコのぬいぐるみは手作りで用意しました。王冠は理想のデザインにしたくて、ライオンボードに合皮を貼り付けて制作。ブローチは先行して作っていたのですが、王冠と色味を統一するために同じ合皮で作り直しました。チコのぬいぐるみは、100円ショップで購入したタオルとフェルトで制作したものになります。
それとロゼッタは髪形も特徴的なキャラクターなので、ウイッグは部分ごとにパーツを分けて制作して。それらを組み合わせてこちらに形に仕上げました。ボリュームを出すために“ふかし”という加工を取り入れたのもこだわったポイントです。また、彼女は星と関係の深いキャラでもあるので、目元にラメを多めに入れてギャラクシーらしさ(!?)を表現するなど、メークにもこだわりました。お姉さんっぽさを出すためにアイシャドウには茶色を使い、口紅もあまり赤すぎないのものを選んだので、そういったところにも注目してもらえるとうれしいです。
こうして大盛況のうちに終了した「TGS2024」以降も、コスプレが楽しめる大型イベントはまだまだ多数控えている。特に「東京コミコン2024」(12月6日~8日、幕張メッセ)、「コミックマーケット105」(12月29日・30日、東京ビッグサイト)など、毎回大きな盛り上がりを見せるイベントは見逃せない。
はたしてこれらのイベントでは、どのような漫画、アニメ、ゲームのコスプレに人気が集中するのか? 今のうちからトレンドを分析しておき、会場で答え合わせをするのも面白そうだ。
◆取材・文=ソムタム田井