漫画やアニメ、ゲームといったコンテンツと並び、今や日本が誇る文化として、海外でも広く親しまれているコスプレ。9月26日~29日にかけて千葉・幕張メッセで開催された、世界最大規模のゲーム見本市「東京ゲームショウ2024(TGS2024)」でも、出展タイトルを盛り上げる要素としてコスプレを導入。屋外にはコスプレ撮影エリアも設けられ、こちらも好評を博していた。
4日間で27万4739人が来場。過去最多となる44の国・地域から985の企業・団体が出展するなど、2023年を上回る盛り上がりを見せた「TGS2024」。そんな同イベントの数ある見どころの中から、会場を彩ったコスプレイヤーにクローズアップ。新旧さまざまなゲーム作品のキャラクターに扮(ふん)したレイヤーたちに「コスプレに対するこだわり」などを話してもらった。
9月19日にキャラクターのビジュアルが公開され、そこから急いで布を購入し、衣装制作を始めました。併せで参加した深夏さん(衣装:最終皇帝[男])と対になるように、ところどころ同じ生地を使って制作した点がこだわりポイントです。とにかく細かい模様が多くて、ミシンで縫うのに大苦戦しました。間に合うか間に合わないかの瀬戸際だったので、こうして無事にお披露目することができて本当に良かったです。とは言いつつ、発表当初は資料が少なく、制作時間も限られていたため、実は足りないパーツがあったりする未完成の状態でして…。「改めて衣装&武器を作り直して、完璧な状態でリベンジするぞ!」と、最終皇帝同士で意気込んでいます!
「ロマサガ2」の最終皇帝が大好きなので、リメーク版の発売を楽しみにしていました。キャラクターのビジュアルが発表されてから1週間ちょっとで「東京ゲームショウ」…というスケジュールだったので、衣装制作はなかなか大変でした。資料も少なく、制作時には膝から下のデザインが確認できなかったため、マントと膝下のデザインは創作になります。衣装に関しては、肩鎧のグラデーションおよび、グロスレザーとホロシンという布の質感がお気に入りです。布がきれいに貼れて良かったです。こちらの衣装を着て、スクウエア・エニックスさんのブースに設置されていた「ロマサガ2」の玉座で記念撮影もできて、感無量です。ちなみに、リメーク版のホーリーオーダー(女)の衣装も制作中です。
全身に施された花の装飾が印象的なキャラクターなので、衣装デザインを忠実に再現しつつ、華やかな雰囲気も表現できるようこだわりました。スパンコールは数時間かけて手縫いで取り付けたものなので、注目していただけるとうれしいです。
こちらは2024年の8月に実装されたキャラクターで、ひと目見た瞬間「コスプレをしたい!」と思い、挑戦してみました。今回に限らず、コスプレをするときは毎回そのキャラの性格と雰囲気を忠実に再現することを意識していて。ちょっと大げさかもしれませんが、「そのキャラクターが現実にいる!」と思ってもらえるくらい、リアルに再現することを目標にしています。
というのも、私自身が韓国で初めてコスプレイベントに遊びに行った際、そこで当時好きだったアニメのキャラ(に扮したレイヤー)と出会い、ものすごく感動した…という経験があって。それがきっかけでコスプレ活動を始めたので、私もそうした「見てくれる人に感動してもらえるようなコスプレイヤーになりたい!」という思いで、日々クオリティーアップに励んでいます。ちなみに今回は、ウイッグのアホ毛がなかなかかわいく再現できたんじゃないかな…と思うんですけど、いかがでしょう?
コヤンスカヤは大好きなキャラクターなので、ウイッグから衣装、小道具まで、全てを一生懸命、自作で用意しました。特徴的な尻尾は、本当はもっと大きいものを用意していたんですけど、イベントの規定に合わせてサイズを調整して。でも、それでキャラのイメージを崩してしまっては意味がないので、試行錯誤しつつ、ちょうどいいバランスになるよう仕上げました。「FGO」が好きなレイヤーさんやカメラマンさんからも、尻尾の造形を褒めてもらえてうれしかったです。
こうして大盛況のうちに終了した「TGS2024」以降も、コスプレが楽しめる大型イベントはまだまだ多数控えている。特に「東京コミコン2024」(12月6日~8日、幕張メッセ)、「コミックマーケット105」(12月29日・30日、東京ビッグサイト)など、毎回大きな盛り上がりを見せるイベントは見逃せない。
はたしてこれらのイベントでは、どのような漫画、アニメ、ゲームのコスプレに人気が集中するのか? 今のうちからトレンドを分析しておき、会場で答え合わせをするのも面白そうだ。
◆取材・文=ソムタム田井