原因がわからず頭を抱える医師たちに、歩は三原は仮病だと伝えた。歩は、三原が1人になると何事も無いように歩いていたり、右手でスマホを操作している現場を目撃し、そう確信したのだった。静も、実は歩より早く三原の仮病に気付いていたようだ。
だが保険金目当てなどの“詐病”とは考えづらく、福美と一緒に居たくて退院を延ばしているのでは…?と、ナースたちは結論づけた。浮かれ気味に帰宅した彼女に、歩は三原が仮病だと告げ、その原因は福美なのだとたしなめた。
福美は一瞬嬉しそうな表情を見せたが、すぐに「三原はウソをつくような人ではない」と反論。そんな彼女に歩は「今の森口さんは、ナースとして患者を見てないんじゃないですか!?」と語気を強め、気分を害した福美は夕飯も食べずに部屋に戻ってしまった。ナースたちは口々に「モラハラ」「パワハラ」と歩を責め、静が「相変わらずデリカシーがありませんね」と、とどめを刺した。歩は「何で僕が責められるんですか…」とふてくされるのだった。
翌日、福美は三原に「ウソなんですか?」と単刀直入に尋ねた。「そんな人だと思いたくない。ましてやナース目当てだなんて」と責める彼女に「ウソじゃない」と言い張る三原。だが、静が彼の腕を持ち上げて確認すると、麻痺はウソだった事が明らかとなった。
「退院したらもう会えないと思うとツラくて…」と言い訳する三原を「病院をそんな事に使わないでください!」と、福美は強く叱責。三原のウソのせいで人手が奪われて、助かる命も助からないかもしれないのだ、と涙目で訴えた。三原は心から反省した様子で謝り、福美はいたたまれない気持ちで病室を出て行こうとした。
その時、三原がまた激しい腹痛を訴えた。「もうやめてください!」と言う福美に、三原は息も絶え絶えに「本当なんです」と苦しみながら告げるのだった。今までとは様子が違うと感じた彼女は検査を医師たちに頼んだが、「いつまで騙されてるんだ」と相手にされず、三原は退院させられてしまった。
その夜、三原の症状が気になる静は彼のマンションを訪ねて「別の病院で検査を受けてほしい」と頼んだが、三原は「痛みは精神的なものだと思うから」と頑なに断った。そこで静はあるアイデアを思いつき、「私の同僚が三原さんとプライベートでお話をしてみたいそうだ」と伝えて、三原をデートに連れ出す事にした。
寮に戻った静は、福美に「道で偶然会った三原が、福美と2人で話がしたいと言っていた」とウソを告げ、翌日、歩を手伝わせて作ったおむすび弁当を持たせて公園に送り出すのだった。
三原と福美は弁当を食べながら楽しく過ごした。そして彼は「卑怯な真似をせずきちんと気持ちを伝えるべきでした」と言い、福美は愛の告白をされるのでは…と緊張。三原は意を決したように「あの…福美さん…」と言ったその時、激しい腹痛を起こし倒れてしまった。
診断は“上腸間膜動脈症候群”。食後に痛みの出やすい病気で、しばらくすると治まる事があるのでわからなかったようだが、福美を信じて検査していればスグに判明したはずだ。歩は、自分の思い込みを福美に謝った。
治療を受けて回復した三原は、福美に「命の恩人」だと言って感謝。そして、福美と居た時に倒れて、またこの病院に入院した事は“運命”なのではないか、と言う彼にに福美はときめきMAXになった。
そんな福美に、「お願いがあって…」と言う三原。そして、色紙を出して「サインをもらってほしいんです」と告げた。彼は何と、福美の同僚の新米ナース・柚子の大ファンだったのだ。柚子は元・地下アイドルで、彼はその頃から推しており、現在は動画サイトで「ユズッコの新米看護師日記」という配信をしている彼女の自称“No.1ファン”らしい。
柚子は三原にとって「天使のような存在」で、虫垂炎の手術の前に見た「天使」は、福美の後ろに居た柚子だった…。入院先のナースが“推し”なんて、運命としか思えない。彼は、柚子と離れがたくて退院を引き延ばしていたのだ。
三原の退院の日、柚子にデレデレする三原を横目に、黙々と仕事をする福美。そして帰宅後、言動が実は柚子に向けられていた事に気付かずに浮かれていた自分が恥ずかしくて哀しくて、公園で1人になってヘコんだ。そんな彼女の元に歩がやって来て、おむすびを差し出した。静に持って行けと言われた、と歩は告げたが、そのおむすびは硬く、歩が握ったのは明らかだ。彼のツンデレで不器用な優しさが垣間見られた。
静は、三原のスマホの待ち受け画面が地下アイドル時代の柚子との2ショットだったのを偶然見てしまい、早々に三原の本命が福美ではなく柚子だと気付いていた。そして、彼の病名にも気付いており、食後の様子を確かめる為にお弁当デートを画策したのだった。静はワザと「私の同僚が」とあいまいな言い方をして、“同僚=柚子”と三原にカン違いさせる事に成功。「ユズッコちゃんとデートなんて!」と夢心地で公園にやって来たが、現れたのは福美だった、という顛末だ。
柚子ではなく福美を行かせたのは、三原の病気が発症した時に的確な対処を要する為、そして、誤解を本人たちで話し合って解かせたかったという思惑もあったようだが、福美には酷な仕打ちだった。静はデリカシーが無い歩に「ウソつきを通り越して、デリカシー無さすぎですよ」と言われてしまったのだった。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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