今回も亮子の鋭さが冴えわたった。裁判では、体罰について、集団訴訟の中心にいた神宮司(夏生大湖)が高校からのライバルでプロ候補の武田(本田響矢)のひざを心配して練習が負担にならないようにしたかったという友情に感動する一方で、武田が受けていたスポーツ特待生制度の闇が浮かび上がった。
裁判後、亮子は大学の理事長にけがをしても申告できない状況にあるスポーツ特待生のシステムの改善を提案。それをしぶしぶのように受け取りつつ、理事長は部員Aの特定にこだわったが、亮子は「どうでもいいです、そんなこと」とバッサリ。
続けて「本当かどうかわからないことに右往左往したり、得になりそうとか、刺激的だというだけで群がったり。ただ流されてみんなと同じ空気に乗っかってるだけなのに、世の中を動かした気になる。そっちのほうがはるかにおろかなんじゃないですか?」と語った。
不正を暴く“正義”。劇中の週刊誌へのリークという形だけでなく、今のネット社会にも通じて、切り込んだ亮子の言葉が突き刺さる。亮子は「どうでもいい」とは言ったものの、部員Aらしき人物として亮子の視線で示されたのは甘利だった。最後の最後に、一歩踏み込んだところにいる“モンスター”を表には出さずともあぶり出すという、観る者を引き付け、考えさせる展開の面白さが続く。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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