【テレビの開拓者たち / 岡田惠和】「いつか『ひよっこ』の続きを書いてみたいです」

2017/09/26 11:30 配信

芸能一般

若い作家と同じフィールドで、攻めの姿勢を貫いていきたい


岡田惠和氏の最新作は、谷口純一郎との共同脚本による「ユニバーサル広告社―」(テレビ東京系)。「ひよっこ」でヒロインの父・実を演じた沢村一樹が主演を務める


――他に、ご自身のターニングポイントとなった作品はありますか。

「ターニングポイントではないかもしれませんけど、最近で言うと、『奇跡の人』(2016年NHK BSプレミアム)は自分にとって大きな作品になりましたね。あの作品を書いているとき、何か得体の知れない充実感みたいなものがあったんです。峯田和伸くん(主演)との出会いも刺激的でしたし。何より、『まだまだ自分はこういうエネルギーのあるものが書けるんだ』という自信につながりました。『ひよっこ』の前に『奇跡の人』をやれたことは、すごくいい助走になった気がします」

――では、岡田さんが脚本を書かれる際、常に心掛けていることは?

「登場人物を作品の都合で動かしたくない、ということですね。どのキャラクターも、生きている意味のある人として描きたいんです。どんな作品を書くときも、そこはいつも意識しています」

──「ひよっこ」がフィナーレを迎えた後、10月からは新作「ユニバーサル広告社~あなたの人生、売り込みます!~」(テレビ東京系)もスタートしますが、これからの展望をお聞かせください。

「朝ドラを3本手掛けてきて、それぞれがその年齢なりの自分の作品として納得のいくものになったという自負はあるんですね。だからこれからは、自分が60歳になったときにどんなものを書くのかをゆっくり考えていきたいなと(笑)。といっても、ベテラン仕事ではなく、常にチャレンジをしていたい。攻めの姿勢は貫いていきたいですね。まぁ、この先、自分の作風がガラッと大きく変わったりすることはないんでしょうけど、ともあれ、若い作家さんたちと同じフィールドで勝負していけたらと思っています。もちろん、視聴率という結果にもちゃんとこだわりながら戦っていきたいです(笑)。それと、実は『ひよっこ』で登場人物たちの4年間しか描けなかったということに、ちょっとだけ心残りがあるんですよ。ですから、いつか続きを書いてみたいです」

──ちなみに、「ひよっこ」と同時期に、倉本聰さん脚本の帯ドラマ「やすらぎの郷(さと)」(テレビ朝日系)が放送されていましたが、意識はされていましたか?

「『ひよっこ』を書くのに忙しくて、失礼ながら、ちゃんと見ることはできていないんですが、もちろん時々拝見してました。本当にすごいドラマだと思います。正直、どっちがおとなしいかと言ったら『ひよっこ』の方がおとなしいわけで…。自分が倉本さんの年齢になったときに、あんなパンクな作品を書けるだろうかということも含めて、刺激をいただきました。後輩の脚本家として、『ひよっこ』が『やすらぎの郷』と同じ時期に放送されたということを誇りに思います」

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