コメディーでもシリアスでも「演技大賞」受賞 “硬軟自在”の実力派キム・ナムギルとは? 素顔はエネルギッシュ「熱量が違う」<熱血司祭2>

2024/11/08 07:10 配信

ドラマ コラム

「熱血司祭」シーズン2より(C)2024 SBS & Studio S. All rights reserved.

「熱血司祭」との出会い 初の「演技大賞」大賞受賞


復讐物に立て続けに出演し、シリアスな演技でファンを魅了してきたナムギル。何を考えているか分からないミステリアスな雰囲気が彼の持ち味…と思いきや、そんな彼が2019年に出会ったのが「熱血司祭」のキム・ヘイルというキャラクターだ。

国家情報院出身でカトリック教会の司祭ヘイルが悪事を働く権力者たちに立ち向かう痛快アクションコメディーで、聖職者が主人公でありながら決闘シーンが毎回のように登場。ナムギル演じる“すぐキレる司祭”を中心に、キム・ソンギュン扮(ふん)するヘタレ刑事デヨン、イ・ハニ演じる出世のためなら手段を選ばない女性検事キョンソンらひとくせある面々が協力し合いながら殺人事件の捜査に乗り出す。

シリアスなテーマを扱いながらも、憤怒調節障害のあるヘイルが刑事デヨンとコミカルな小競り合いを繰り広げた本作は、最高視聴率22%を記録するヒット。年末の「SBS演技大賞」でナムギル自身が大賞を獲得したほか、作品全体で8冠という快挙。「ソウルドラマアワード2019」でも最優秀作品賞(韓流ドラマ賞部門)を獲得するなど、社会現象級の盛り上がりとなった。

明るくエネルギッシュで感情をため込まない、そんなネアカなキャラクターで大いに笑わせてくれるヘイルだが、実はかつて、とっさの判断ミスで子どもの命を奪ってしまった過去を持つ。怒りを調節できない“憤怒調節障害”はその時のトラウマだ。心の奥底にそんな葛藤を忍ばせ、ふとした瞬間にちらりとのぞかせる…そんな奥行きあるキャラクターをナムギルが確かな演技力で作り上げている。

クライムサスペンスでも「演技大賞」大賞獲得


一方で、3年後の2022年には本格クライムサスペンス「悪の心を読む者たち」に主演。“韓国初のプロファイラー”ソン・ハヨン役で重厚な演技を見せ、シリアスな作品との抜群の相性もあらためて証明してみせた。

“サイコパス”という言葉もまだ知られていなかった1990年代を舞台に、韓国で実際に起きた残忍な連続殺人事件をモチーフに構成された同作で、動機のない“狂気の殺人”に向き合うハヨン。凶悪犯の心理を理解しようとすればするほど彼の心は悪に蝕まれ、自分を見失っていく…。ナムギル自身、この作品の撮影中「実在の被害者の家族にとってさらなる被害や傷にならないかが心配でした」と、常に悩みながら役に向き合ったことを放送後に打ち明けている。

コミカルなテイストの「熱血司祭」とは180度様相の異なる「悪の心を読む者たち」で重厚な演技を見せたナムギルは、この作品でも「SBS演技大賞」大賞を獲得。1年を通して最も魅力的な演技を見せた主演俳優として、韓国ドラマ界に再びその名を刻んだ。