――心が温まるようなシーンが多いですが、現場でのお二人の様子や、全体の雰囲気はいかがですか?
どんどん二人の信頼関係が生まれてくるのがとても神々しかったです。原作のハルと久留里ちゃん同様、最初は気を遣っていた二人が、最後は家族のような存在になって、クランクアップでの二人の涙はとても印象的でした。
――撮影中の印象的なエピソードはありますか?
平澤さんが1話で涙するシーンで「涙は左目から出しますか?右目から出しますか?」と監督に聞いているのを見て、小山さんもびっくりしていましたが、それを実際にやってのける彼女の芝居力はものすごいです。
後は、初座長に緊張気味の小山さんに、初日に「ここにいる人は皆小山さんの味方です」って言った監督の言葉はまさにその通りで、その一言でチームの結束力が高まりました。
――池田P特にお気に入りのシーン(せりふでも可)はありますか?また、視聴者が喜びそうな裏話があれば教えてください
4話の東京にて、久留里がハルの袖を引いて「(名古屋の家に)帰ろ」って言うシーンは正直PVで泣きそうになりました。そのくらい大好きなシーンです。SNSでの反響もすごかったですが、とにかく平澤さん演じる久留里の健気さが視聴者にも届いた瞬間かと。
裏話でいうと、1話でハルが部屋で慌てているときに、天井からぶら下がっている電灯のヒモに頭をぶつけるシーンがあるのですが、これはリハーサルでたまたまぶつけた小山さんのかっこ悪さを見て、監督が「本番でもぶつけてください」って言ったんです。細かい部分ですがこれも好きで、おそらく小山さんがその後ハルを演じるヒントになったような気がします。
――「高杉さん家のおべんとう」だからこそと胸を張れる、すてきなポイントや作品としての強みがあれば教えてください
今の社会で自分を上手に表現できたり、思いを言語化して意思を伝えられたり、それを行動に移すことって、とても難しい!と思う人もいるし、生きているとそういう悩みにぶつかってしまう瞬間が結構あったりすると思います。
でもこの二人のように、伝えたいって思いに誠実であれば、それがいつか叶うこともあり、叶わなくても「自分が納得いく幸せな結末があるかもしれない」ってことを信じたいって思わせてくれる物語が、この作品のすてきなところです。
それが映像になって、全国の皆さんにより身近に届いてくれたのなら、うれしい限りです。
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