SMAPのメンバーからオートレーサーへと転身した森且行選手の生き方に迫るドキュメンタリー映画「オートレーサー森且行 約束のオーバル 劇場版」が、11月29日(金)より全国で公開。その完成披露イベントが11月11日に都内で行われ、森選手と穂坂友紀監督が登壇した。
同作は、2023年3月に開催されたTBSドキュメンタリー映画祭で上映された「オートレーサー森且行 約束のオーバルへ」を基に大幅な追加撮影映像を交えて再編集されたもの。悲願の日本選手権初優勝を果たした後、レース中に落車し命が危ぶまれるほどの大怪我を負った森選手が、幾度にもわたる手術と懸命のリハビリを経て、再びレーサーとしての道を歩む思いに迫る内容となっている。
映画が公開されると聞いた時の心境について、森選手は「『うそでしょ?』と思いました。まさか全国で僕の映画をやるとは信じがたくて、何度も監督には聞き返しました」と衝撃的だった様子を見せると、周りの反響は「オートレーサー仲間たちには恥ずかしくて言えなくて、宣伝を見た後輩たちから『森さん、映画やるんですか?』『誰が森さんを演じるんですか?』って聞かれて…、自分で演じてると言いました」と、照れながら話す姿に観客から笑いが漏れた。
オファーに関して何度断られても諦めなかったという穂坂監督は、「人間として生き方にほれました」と情熱を語ると、森選手は「正直、TBSの映画祭で最後だと思っていたんですけど、その後レース場に行くと(穂坂監督が)いるんですよ。これは怪しいなと思って、そしたら『劇場版を作りたい』と言われて、何度も断りましたけど、情熱に負けました」とオファーを受けた理由を明かした。
約3年の撮影を経て取材前後で森選手への印象の変化について穂坂監督は「カメラを向けても向けなくても変わらない方なので、お酒を飲まない限りは変わらない」とコメント。その発言に「誰だってお酒を飲めば変わりますよ」と反論する森選手に、エンドロールの醜態についての話が飛び「あれは序の口です」と監督が軽く話したことで頭を悩ませた森選手は「記憶にございません」と開き直り、観客たちの笑いを誘った。
撮影も終わり、映画が完成したことで“森ロス”になると寂しさを口にした監督は「また、60歳の且行、70歳の且行を見たいな~」と発言。すると困り顔の森選手は「見たいですか?」と問い掛け、観客から多くの拍手が送られると「頑張れるかな」と満更でもない様子を見せた。
今回、普段使用している物と同じモデルのヘルメットを持参して登壇した森選手。デザインについて、SMAP時代に出演したバラエティー番組「夢がMORI MORI」(フジテレビ系)内のコーナーで演じた「音松くん」のメンバーカラーに合わせたことを明かすと、「SHOEI(ヘルメットメーカー)のデザイナーさんと一緒に考えました」とオリジナルヘルメットを披露した。
最後に、今後について森選手は「SGレースに出られるようなランクにいることを目指して、優勝したいです」と目標を掲げ、「オートレーサーに転身してから28年がたちましたけど、まだまだ挑戦したいことがたくさんあります。僕が戦うわけをこの映画を通して感じてもらえたらと思います」と語り、イベントを締めくくった。