まひるは、過去のことから心を許す友だちを作ることにどうしても躊躇(ちゅうちょ)してしまっていた。その彼女なりの見極めが、その人の前で“あくび”ができるかどうかだったのだ。「和田君も徳永君も同じかな。あくび、してもいいかな?」と言うまひるに、優希も愛莉も「いいと思う」と答えた。
その答えにほほ笑んだまひるは、その夜「明日、みんなに聞いてもらいたい話があるんだけど」とメッセージ。すぐに了承のスタンプを返した4人は、翌日にまひるの過去を聞いた。「忘れなきゃいけないのに…私、本当弱いから」とつぶやくまひる。すると広海が口を開いた。
「人生に命題はないんじゃないかな。乗り越えるのが正しいとか間違ってるとか、忘れるのが正しいとか間違ってるとか、そんなの誰にだって決める権利ないんじゃないかな。人生の道の途中に、乗り越えられないくらいのものを置いたのは誰って、勝手に置かれたものに、なんで立ち向かわなきゃいけないのかな」。
“命題”という数学が得意な広海らしさがありながら、優しくて深い言葉。視聴者からも「すごく響いた」「広海の言葉染みる」「すごく刺さった」といった声が。
その後、虎之介は広海と共にまひるの推しの公演に行って、握手をした手をどこにも触れないまま帰ってきて、まひるに間接握手をしてあげた。そんなまひるは、広海と虎之介がいる前で、自然とあくびが出ていた。
虎之介が目指す5人の友情は、ふとしたときに帰ってきていい場所という意味の「心のふるさと」。その始まりに心が温かくなった。ただ、これからその友情と両立するのか、恋愛模様の予感も見えてきた。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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