コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、「人間関係が泥沼すぎる」と話題の人気作品「熱が出て修学旅行に行けなくなった話」をピックアップ。
作者のチャン・メイさんが10月19日にX(旧Twitter)で同作を投稿。そのツイートには合わせて2.4万以上のいいねと共に、多くの反響コメントが寄せられた。この記事ではチャン・メイさんにインタビューを行い、創作のきっかけやこだわりについてを語ってもらった。
修学旅行の前日に高熱を出し、欠席することになってしまったユキ。お母さんが学校に連絡をしていると、ユキはいきなりベッドに倒れ込んでしまう。そして、気がつくと綺麗なビーチで猫になっていた…!
さらに、目の前には彼氏のタクミと親友のカナの姿が。そのまま後を追っていくと、カップルだらけのビーチに座り込んだ2人。
後ろで盗み聞きしてみると、「タクミみたいな優しい人と付き合いたかった」と言い出すカナ。タクミも「ユキと付き合ったの、雰囲気に流されて決めた感じある」となんだか良い雰囲気に。
耐えられなくなったユキは泣きながらビーチを走り、気づくと自分の部屋にいた。そして、目の前にはほっとしているお母さんと、やけに距離が近い2人が…。
本作は修学旅行中に浮気されてしまう、ほろ苦い青春物語。読者からは「誰も信じられなくなっちゃう」「きついけどこれも人生」「リアルで体験したことある」「主人公に幸あれ」など多くのコメントが寄せられている。
――「熱が出て修学旅行に行けなくなった話」を創作したきっかけや理由があればお教えください。
脚本を書くためのロジックを勉強する機会があり、そこで得た知識を使って、今までとは違った作品を描きたくなったのがきっかけですね。高校生が主人公っていうのもあまり書いたことがないですし、ファンタジーな演出を入れるのも初めてでした。うまくいっていますかね?
――主人公のユキに同情する声が多くありましたが、本作を描くうえでこだわった点があればお教えください。
実は、リプで胸糞とか可哀想みたいな感想をいただいたことに、びっくりしていたんです。そういうつもりでは書いてなくて、高校生のほろ苦青春物語(?)を描いたつもりだったので。ほろ苦どころかかなり苦く感じられた方もいらっしゃって、そんな感想を通して自分の作品を改めて見つめ直すことができました。
とはいえ、書いていた時は間違いなく“ほろ苦”だと思って(なんならエモいくらいに思っていましたが)、その塩梅にこだわって描いていました。
――本作の中で特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
カナが「タクミみたいな優しい人と付き合いたかった」と言った後の猫のセリフ「『タクミみたいな』ってわざわざ言う?」ですね。こういうショッキングな出来事が起きたときってなんか血の気が引いちゃって変に冷静になっちゃったりすると思うんです。
猫もそうで、なんか変な揚げ足を取っちゃって的を射ているんだかよく分からないことで怒ってる。その人間臭い感じが出せたので、このセリフが気に入っています。あと、猫の顔もうまく描けて満足です。
――チャン・メイさんの作品はフィクションでありながらも現実味を感じる場面が入り混じっている印象を受けますが、普段作品を創作するうえで意識していることがあればお教えください。
先述の通りフィクションが得意ではないんです。でも、気の向くままに書いてしまうと私や私の周りで起きた出来事を漫画にしただけの日記になっちゃうので、ネタにしちゃった友達とかに怒られないように、頑張ってフィクションにしています。
――今後の展望や目標をお教えください。
目標とかはあんまりないですね。ないからこそこうやって楽しく描いていられるんだと思いますが、それにしては時間や労力をかなり割いているので、何か目標が欲しいです。あ、でももっと沢山の人に読んでもらえるようになると嬉しいかもです。
――最後に、チャン・メイさんの作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いいたします。
現在、次回作としていつもの感じで等身大のジメジメした短編読み切りを書いているところです。期待せず待っていていただけますと嬉しいです。
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