ドラマ「SHOGUN 将軍」サントラ、グラミー賞ノミネート アレンジャー務めた石田多朗「日本の伝統音楽のクオリティは世界に誇れる」

2024/11/12 18:08 配信

ドラマ 音楽

坂本龍一さんと同じタイミングでのノミネート


2023年に亡くなった坂本龍一さんの最初で最後の長編コンサート映画「Opus」の音源作品が「最優秀ニューエイジ/アンビエント/チャント・アルバム」にノミネートされた。

無名だった石田が初めて作曲した雅楽「骨歌(こつか)」を聴き、「いいじゃん、雅楽を続けなよ」と最初に温かい声を掛けてくれた人が坂本龍一さんだったという。

石田は「あれから10年。憧れのグラミー賞に同じタイミングでノミネートされるなんて運命を感じずにはいられません」と感動を口にした。

Instagramを通じて石田多朗を抜粋


リアリティの追求は、サウンドトラックも然り。脚本を読んだアッティカス・ロスら3人は自分たちの創るエピックに「本物の日本の楽器を取り入れ、SHOGUNの世界を音楽で表現したい」と日本音楽を研究。雅楽を取り入れた楽曲を手掛けていた石田を知り、Instagramを通じて協力を打診した。

石田は総合アレンジャーとして加わり、3人のスケッチを基に伝統音楽のアレンジ、採譜、邦楽器演奏者のマネジメント、レコーディングなどを務めた。

ロサンゼルスのアッティカスらとリモートで連絡を取り合い、約2年。ダイナミックなエピックと笙、篳篥といった雅楽楽器、尺八、胡弓、法螺貝、三味線などの邦楽器が融合。荘厳かつ繊細、ミステリアスな「SHOGUN 将軍」の世界を表現した。

例えば、アッティカスたちからビート感が強い音楽のスケッチと共に、そこに「日本的な要素を加えたい」との要望のメールが届く。石田は、仏教の経文を朗唱する「声明」を提案し、実際に日本のある寺院で録音、編集。その声明の音源は作曲家チームに大好評だった。その結果、日本の伝統的な響きを現代のビートに融合させることができた。声明の音源は「SHOGUN 将軍」のテーマ曲の他、様々なシーンでも使用され、日米融合の音楽が一層の深み、臨場感を与え、陶酔させた。

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