「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載され、シリーズ累計発行部数は1億3000万部を超える剣戟バトルアクションコミック「BLEACH」。この度、最終章「千年血戦篇」のTVアニメ第3クールとなる「BLEACH 千年血戦篇-相剋譚-」(毎週土曜夜11:00-11:30、テレ東系/ディズニープラス・Leminoほかで配信中)でシリーズ構成を担当する平松正樹のインタビューが到着した。
見えざる帝国《ヴァンデンライヒ》の第二次侵攻により、影の領域《シャッテン・ベライヒ》へと変貌した瀞霊廷(せいれいてい)で、死神と滅却師《クインシー》の戦いは続く。
奪われた卍解を取り戻し、反撃の狼煙を上げた護廷十三隊は、次々と星十字騎士団《シュテルンリッター》の聖章騎士《ヴェルトリッヒ》たちを撃破していく。
そんな中、霊王宮での修業を終えて、新たな力を得た阿散井恋次、朽木ルキア、そして黒崎一護が瀞霊廷に帰還する。再びユーハバッハに挑まんとする一護の前に立ちはだかったのは石田雨竜。引き絞った弓を向ける友の真意を問う一護に、雨竜が返したのは訣別の矢であった。
ユーハバッハは雨竜と親衛隊を引き連れて遮魂膜を突破。遂に戦いの舞台は、不可侵の神域・霊王宮へと移る。不遜な侵入者を迎え撃つ王属特務・零番隊の5人。その驚異的な力の前に、ユーハバッハも親衛隊も敗れ去ったかに見えたが……真の戦い、真の絶望は今まさに始まらんとしていた。死神と滅却師、一護と雨竜、信念と決意…決して相容れぬ光と影は、紺碧の天空に相剋する。
――「相剋譚」はシリーズ全体でどのような位置付けになりますか?
平松:起承転結で言うところの“転”です。これまで対立していた関係性に区切りがついたり、対立していた理由が明かされたりして、「相剋」というジレンマが解消されるのが第3クールです。また、「千年血戦篇」シリーズ最後の第4クールへ向けた山場の一つで、最終決戦を前にした非常に盛り上がるクールだと思います。
――第1クール、第2クールを経て、久保先生との関係で変化したことをお聞かせください。
平松:第1クールのときは、久保先生は初めて参加する僕に対して若干の不安を抱かれているかもしれないと思ったので、“『BLEACH』のシリーズ構成として、先生から信頼していただけるように”ということを意識してシナリオを書いていました。そこから少しずつ「このセリフいいね」などのお声をいただけるようになって、「信頼していただけているかも」と実感する機会が増えました。現在は“信頼を裏切らないように、期待に応えられるように”という気持ちで書いています。
――シナリオ制作で「相剋譚」から変化したことはありますか?
平松:第1クール、第2クールでは、物語の展開もあってコミカルは少し抑え気味で作りましょうという共通認識が、シナリオにも演出にもありました。でも、第26話で「死神図鑑」が放送され、「このコミカルさを含めてが『BLEACH』だな」とメインスタッフの意識が少しだけ変わった気がします。コミカル要素を増やすためだけに僕が新たな場面を足すことはありませんが、原作にあるシリアスなシーンに時折混ざっているコミカルなシーンは極力カットせずに活かす方向で書いています。
シリアスなシーンの最中に繰り広げられるコミカルなやり取りを含めて『BLEACH』である、ということをより意識するようになりましたね。
――――「相剋譚」の制作中にテンションが上がったシーンはありますか?
平松:この先の話なので具体的なシーンは言えないのですが、久保先生からいただいたイメージネームを基にシナリオを書いて、それを再度久保先生にチェックしていただいた回がありました。そのときに「こういうセリフを使って、お互いに悪い印象を持たせないでキャラクターを対立させていく」という久保先生の表現方法を目の当たりにできたのは面白かったし興奮しました。いただいたイメージネームは、制作のためだけに使用されるのが本当にもったいないので、「ファンの皆さんが目にできる機会があるといいな」と思ってしまいましたね(笑)。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)