スウェーデンとデンマークの合作による北欧ミステリードラマ「THE BRIDGE/ブリッジ」。スウェーデンとデンマークを結ぶ橋の国境線上で遺体が発見された事件は、両国をまたいだ連続殺人に発展し、それぞれの国の刑事がコンビを組んで捜査にあたることに――。本記事では、「THE BRIDGE/ブリッジ」シーズン1~4のあらすじや見どころを紹介していく。
本作は、世界的ヒットとなったデンマークのTVドラマ「THE KILLING/キリング」のスタッフが、スウェーデンのドラマ「刑事ヴァランダー」シリーズの脚本家と共同で制作し、両国で2011年に放送がスタート。イギリスでも人気を博し、BBC 4でのシーズン2第1話初回放送の視聴者数は150万人を超えた。これは、「THE KILLING/キリング」「コペンハーゲン 首相の決断」を大きく上回る北欧シリーズの最多視聴者数となった。
そんな本作では、スウェーデンの女性捜査官サーガ・ノレーン(ソフィア・ヘリン)とコペンハーゲン署の刑事マーティン・ローデ(キム・ボドゥニア)を中心とした両国の警察が合同捜査にあたるため、セリフにはスウェーデン語とデンマーク語が半分ずつ使われている。隣り合ってはいるものの、言葉も国民性も異なる両国。おおらかなデンマークに対し、どちらかというと生真面目なのがスウェーデンだ。サーガとマーティンもそれぞれの違いに最初は苛立ちを感じつつ、次第に名コンビぶりを発揮していく。
ちなみに海外では本作のリメイク作品も制作されている。アメリカのリメイク版「ブリッジ ~国境に潜む闇」ではアメリカとメキシコの国境を舞台に、テキサス警察殺人課警部ソニア・クロス(ダイアン・クルーガー)とメキシコ警察のマルコ・ルイス(デミアン・ビチル)が連続殺人犯を追う。
また、イギリスとフランス合作の「THE TUNNEL/トンネル」もリメイク作品の一つで、英仏海峡トンネルに残された仏政治家の遺体をきっかけに、フランス・カレーの警部エリース・ワッサーマン(クレメンス・ポエジー)と、イギリス・フォークストンの刑事カール・ローバック(スティーブン・ディレン)が合同で捜査するというもの。世界各国でリメイクされていることからも、「THE BRIDGE/ブリッジ」の人気の高さがうかがえる。
本作の魅力の一つは、サーガの個性的なキャラクターだ。レザーパンツとブーツというスタイルで愛車のポルシェを乗り回す彼女は、行動力があり、思ったことをそのまま口に出せる意思の強い女性だ。大学でも成績はトップクラスで頭脳明晰だが、人の表情を読み取れないという一面も持つ。一見冷淡にみえる彼女だが、マーティンと出会い、少しずつ社会性を学びながら心を通わせていく姿にも注目だ。
サーガを演じたソフィア・ヘリンは、サーガについて「最初にこの役をいただいた時には、私という人間とあまりにも違っていて理解できず、本当に戸惑いました」と語っている。サーガが罹っていたと思われるアスペルガー症候群について研究したというソフィアは、普段から彼女だったらどうするか考えながら振舞い、役作りに活かしたという。
そんなサーガに寄り添うマーティン役のキム・ボドゥニアは、「THE KILLING/キリング」シーズン1にサラ・ルンド(ソフィー・グローベール)を追求する検事局のビーロウ役で出演している。「THE KILLING/キリング」シリーズからはほかにも、シーズン2で国会議員トマス・ブク役を演じていたニコラス・ブローが事件に深く関わることになるフレディ役で、シーズン3でカンパ首相を演じていたオーラフ・ヨハネセンが犯行現場の会社のオーナー役で出演するなど、「THE KILLING/キリング」ファンおなじみの俳優陣が多数出演しているので要チェックだ。
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