ディズニーが公開した“わずか4分”の短編が反響を呼んでいる。その作品は「ザ・ボーイ・アンド・ザ・オクトパス」。4分という短い時間で心温まる物語がテンポよく描かれており、視聴者からは「ボロ泣き」「これぞディズニー」などのコメントが寄せられている。(以下、ネタバレを含みます)
「ザ・ボーイ・アンド・ザ・オクトパス」は、ウォルト・ディズニー・カンパニーがホリデーシーズンにあわせてタイカ・ワイティティ監督とコラボレーションしたオリジナル・ショートストーリー。ワイティティは「マイティ・ソー バトルロイヤル」(2017年)や、第92回アカデミー賞で脚色賞を受賞した「ジョジョ・ラビット」(2019年)などで知られる監督だ。
本作はタイトルどおり、“少年とタコ”の物語。海辺でのバカンス中に、少年の頭に不思議なタコがくっついてしまい、タコを頭に乗せたまま家に戻った少年がタコと友達になっていく…という展開。
少年は、新しい“友達”に陸の生活を次々と紹介していく。ジェダイのライトセーバーを使ってフォースの力を操ったり、バズ・ライトイヤーのフィギュアで一緒に遊んだり、壁の地図を見ながら世界中を駆け巡るサンタクロースの旅路を想像したり。たった4分の中で、仲良くなっていく少年とタコに感情移入してしまう。
本作屈指の名シーンと言えるのが、ミッキーマウスのニット帽の中にタコを隠して、クリスマスの雰囲気があふれる街を一緒に体験するために外の世界へ連れ出す場面。ミッキーマウスの目にあたる部分からタコが目をのぞかせキョロキョロするかわいらしい姿には、誰しもが心をつかまれるはず。
“子どもと不思議な生物の友情物語”は世界中で人気のテーマ。そこに“タコ”という一見とっつきづらい生物を持ってきたのは、ワイティティ監督ならではのユーモアだろう。作中では“寿司店”が登場し、タコが驚いて目を見開くという瞬間もある。
ワイティティは本作の公開に際し「この作品は、ホリデーシーズンの喜びや思いやりといった気持ちをディズニー映画らしい感動と結びつけて表現しています。ディズニーとホリデーシーズンは相性が抜群で、ディズニーとだからこそ、私は一緒にこの作品を作り上げることができたのだと思います」とコメント。
前述のキャラクターやアイテム以外にも多数ディズニー関連の作品を想起させる部分があり、幼少期にそれらの作品に触れてきた大人なら、きっと子ども心を呼び起こされるだろう。
そしてもちろん軸となるストーリーも素晴らしい。心温まるエンディングを見ると、YouTubeのコメント欄などに寄せられた「4分とは思えない満足感」「ボロ泣き」「涙が止まらない」「これぞディズニー」といった声に、きっと賛同できる。
本作に関しては特に事前予告などは行われておらず、作品の発表と同日の11月13日に突如YouTubeのディズニープラス公式チャンネルで本編映像が公開されたのも、先入観が入らず良かったのではないだろうか。少し早いディズニーからの“クリスマスプレゼント”というわけだ。
なお、ワイティティ監督作「マイティ・ソー バトルロイヤル」「ジョジョ・ラビット」や、ディズニー関連過去作はディズニープラスで配信中。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)