――俳優、アイドルとして作品に共感を覚えるポイントや、アクア、ルビーに対しての感情移入などはありますか?
齊藤:私は小さいころからアイドルになりたくて、アイドルに憧れて生きてきたので、同じ夢を持ってアイドルになったルビーちゃんにはものすごく共感が強いです。どの場面でも、どのせりふにも気持ちが入るというか。ルビーちゃんは転生前のさりなちゃん時代からずっとアイドルに憧れて生きてきた子ですし、感情移入はなおさらです。
アイドルではないですけど、あかねにも共感する部分はやっぱりあって、特に刺さったのはSNSでの誹謗中傷です。あのエピソードは過去の私と重なる部分あって、そこでぐっと引き込まれていきました。私もネットの誹謗中傷に心を傷つけられたことがあって、あのときのあかねの苦しい気持ちは痛いほどよく分かります。
櫻井:ここまで芸能界に切り込んで、そこに身を置く人間がリアリティーを感じるテーマを丁寧にエンタメ化しているのは本当にすごいと思います。アクアは原作を読んでいるときから自分とリンクする部分が多くて、信念の強さや演技のスタイル、キャリア的なことも近くて、あちこちの場面で感情移入をしていく役でした。
――原作の赤坂アカさん、横槍メンゴさんとはどんなお話をされましたか?
齊藤:お2人ともすごく優しかったですね。
櫻井:とてもフレンドリーで、気さくに話しかけてくださって。見学にいらしたのがB小町のライブシーンの撮影のときで、みんなガチガチに緊張して、立ち尽くしてしまって(笑)。
齊藤:本当に緊張しすぎて(笑)。でも、「気負わなくていいよ」って。「実写化だからって気にしないでね」と言ってくださったのにはほっとしました。
櫻井:僕はアクアに骨格が似ているって。そのひと言がうれしかったです。
――役作りについてアドバイスを頂いたりは?
櫻井:ないですね。それを言うとこっちがプレッシャーに感じてしまうと分かっていたからだと思います。
齊藤:アドバイスではないですけど、ライブシーンは「3人ともB小町にしか見えなかったよ」と言っていただけて、それで自信が持てた面はありますね。
――アクア、ルビーともに目的、夢を持って芸能界に飛び込みました。櫻井さん、齊藤さんはこの芸能界でどんな夢や目標を持っていますか?
櫻井:僕は子どものころからサッカーが好きで、もし俳優にサッカーのような日本代表があるのなら、将来はそこに入れるような俳優になることが目標です。
齊藤:アイドルになるのが夢だったので、=LOVEに入れたことで夢はかなっているんです。今は俳優として頂けたお仕事を全力で頑張ることが一番の目標で、その先に何か新しい夢を見つけられたらいいなと思っています。
――最後に「【推しの子】」にかけて、2人の今の“推し”を教えてください。
齊藤:私は、aikoさん推しです。本当に大好きなんですよ。もともと音楽を聴くのが好きで、大好きなアーティストさんはたくさんいるんですが、その中でもaikoさんが一番の中の一番。推しの曲は「透明ドロップ」と「冷凍便」です。
櫻井:僕は焼き鳥です。
齊藤:またそれ(笑)。櫻井さん、焼き鳥が好きすぎて焼き鳥の話しかしてくれない。今日も会ってからずっと焼き鳥。会話の8割が焼き鳥(笑)。
櫻井:一日一食は焼き鳥で、それが半年ぐらい続いています(笑)。何ならスタッフさんがドラマのYouTube企画に焼き鳥を入れてくれたくらいです。
齊藤:私の中で“櫻井さん=焼き鳥”になりました。焼き鳥の中の“推し”はなんでしたっけ?
櫻井:ソリレスっていうももの付け根の希少部位で、脂身がしっかりありつつも歯応えはしっかりあって、絶品ですね。皆さんもぜひ食べてみてください(笑)。
◆取材・文=鈴木康道/ヘアメーク(櫻井)=高草木剛(VANITES)、吉沢実希/ヘアメーク(齊藤)=夢月(Three PEACE)/スタイリスト(櫻井)=藤井晶子/スタイリスト(齊藤)=佐藤奈津美